2013-07-01から1ヶ月間の記事一覧

覚え書:「今週の本棚:伊東光晴・評 『日本型雇用の真実』=石水喜夫・著」、『毎日新聞』2013年07月07日(日)付。

- 今週の本棚:伊東光晴・評 『日本型雇用の真実』=石水喜夫・著 毎日新聞 2013年07月07日 東京朝刊 (ちくま新書・798円) ◇“新古典派”労働市場改革の実態に迫る 著者は長く労働省(現厚生労働省)につとめ、何回も、労働経済白書−−正確には『労働経済の…

覚え書:「今週の本棚・新刊:『未解決事件 オウム真理教秘録』=NHKスペシャル取材班・編」、『毎日新聞』2013年07月07日(日)付。

- 今週の本棚・新刊:『未解決事件 オウム真理教秘録』=NHKスペシャル取材班・編 毎日新聞 2013年07月07日 東京朝刊 (文藝春秋・1680円) 昨年5月に放送されたNHKスペシャル「未解決事件『オウム真理教』」−−。その中で伝えきれなかった警察や元…

書評:伊藤邦武『物語 哲学の歴史 自分と世界を考えるために』中公新書、2012年。

伊藤邦武『物語 哲学の歴史 自分と世界を考えるために』中公新書、読了。「人間の誰もが世界と向き合い、自分の生を意味を顧みるときに、どうしても問わずにはいられない、もっとも根本的な問いを深く考え、その答えを模索しようとする知的努力」が哲学。哲…

覚え書:「今週の本棚:養老孟司・評 『ウェブ文明論』=池田純一・著」、『毎日新聞』2013年07月07日(日)付。

- 今週の本棚:養老孟司・評 『ウェブ文明論』=池田純一・著 毎日新聞 2013年07月07日 東京朝刊 (新潮選書・1575円) ◇生きて変化するアメリカ現代社会のスケッチ これはウェブを創りだし、さらにそれを最大限に利用することで、いまも変化しつつある米…

覚え書:「性欲の研究―エロティック・アジア [編]井上章一」、『朝日新聞』2013年06月30日(日)付。

- 性欲の研究―エロティック・アジア [編]井上章一 [掲載]2013年06月30日 [ジャンル]社会 編者と鹿島茂による巻頭対談で、オタクの元祖として名挙げされたプルースト。『失われた時を求めて』に登場する、眠る少女を思うさま観察するイメージは川端康成の中で…

覚え書:「みんなの広場 福島県民の痛み理解し発言を」、『毎日新聞』2013年07月05日(金)付。

- みんなの広場 福島県民の痛み理解し発言を 無職 85(福島県相馬市) 此の次の避難の場所は墓ですと老婆は言ひて命を断ちぬ 放射線うつると言われ疎外さる児童の痛み涙して聞く 右の短歌は私が詠んだものです。 自民党の高市早苗政調会長は東京電力福島第1…

覚え書:「記憶をコントロールする 分子脳科学の挑戦 [著]井ノ口馨 [評者]福岡伸一」、『朝日新聞』2013年06月30日(日)付。

- 記憶をコントロールする 分子脳科学の挑戦 [著]井ノ口馨 [評者]福岡伸一(青山学院大学教授・生物学) [掲載]2013年06月30日 [ジャンル]科学・生物 ■どう作られ、保持されるのか 「記憶は死に対する部分的な勝利である」とはカズオ・イシグロの名言である。…

覚え書:「忘れられない日本人移民 ブラジルへ渡った記録映像作家の旅 [著]岡村淳 [評者]小野正嗣」、『朝日新聞』2013年06月30日(日)付。

- 忘れられない日本人移民 ブラジルへ渡った記録映像作家の旅 [著]岡村淳 [評者]小野正嗣(作家・明治学院大学准教授) [掲載]2013年06月30日 [ジャンル]ノンフィクション・評伝 ■〈家〉なき存在の現実を映す 著者の岡村淳は1987年にブラジルに移住して以…

覚え書:「人口減少社会という希望 コミュニティ経済の生成と地球倫理 [著]広井良典 [評者]水野和夫」、『朝日新聞』2013年06月30日(日)付。

- 人口減少社会という希望 コミュニティ経済の生成と地球倫理 [著]広井良典 [評者]水野和夫(日本大学教授・経済学) [掲載]2013年06月30日 [ジャンル]経済 ■比重増すローカルで内的な生 成長至上主義者は本書を読んで、どう反論するだろうか。これまで幾度と…

病院日記(5) 世間様に無言に「荷担」し、無言で「遠慮」すること

少しtwに連投した殴り言で、かつ、内容が錯綜はしているのですが、記録として残しておきます。そのうち、議論を整理して幾つかに分けて掲載し直そうとは思いますが(汗 さて……。帰宅った。今季最大の猛暑にてかなりへろへろ。看護助手は屋内業務なのに仕事…

覚え書:「脊梁山脈 [著]須藤靖 乙川優三郎 [評者]角幡唯介」、『朝日新聞』2013年06月30日(日)付。

- 脊梁山脈 [著]須藤靖 乙川優三郎 [評者]角幡唯介(ノンフィクション作家・探検家) [掲載]2013年06月30日 [ジャンル]歴史 文芸 ■国や民族揺さぶる木地師の系譜 日本の山中にはかつて木地師という集団がいた。轆轤(ろくろ)を回して木でお椀(わん)やこけし…

覚え書:「神は死んだ [著]ロン・カリー・ジュニア [評者]佐々木敦」、『朝日新聞』2013年06月30日(日)付。

- 神は死んだ [著]ロン・カリー・ジュニア [評者]佐々木敦(批評家・早稲田大学教授) [掲載]2013年06月30日 [ジャンル]文芸 ■絶望の極点で希望は紡げるか ショッキングな題名だが、内容そのままなのだ。表題作で、本当に「神」は死ぬ。スーダンのダルフール地…

覚え書:「ひと ブラック企業の淘汰を目指す 中嶌聡さん」、『毎日新聞』2013年07月03日(水)付。

- ひと ブラック企業の淘汰を目指す 中嶌聡さん(30) あるタイ焼き店の20代の店長は、多い月で200時間も残業していた。1日の売り上げが悪いと、午後10時ごろから翌日の対策会議が始まる。帰ったら倒れるように寝た。給料は19万円余り。「再就職先…

覚え書:「主役はダーク・科学を語るとはどういうことか [著]須藤靖 伊勢田哲治 [評者]川端裕人」、『朝日新聞』2013年06月30日(日)付。

- 主役はダーク・科学を語るとはどういうことか [著]須藤靖 伊勢田哲治 [評者]川端裕人(作家) [掲載]2013年06月30日 [ジャンル]科学・生物 ■怒り心頭の物理学者、科学哲学者と大激論 『主役はダーク』は破格の科学エッセーだ。最新の天文学、宇宙物理学を独…

覚え書:「書評:字幕屋のニホンゴ渡世奮闘記 太田直子 著」、『東京新聞』2013年6月30日(日)付。

- 【書評】字幕屋のニホンゴ渡世奮闘記 太田直子 著 2013年6月30日 写真 ◆台詞と人生を磨く [評者]中条省平=フランス文学者 じつに面白い本だ。技術論として、言語論として、人生論として。 技術論というのは、本書は映画の字幕がどのように作られるかを…

書評:フランク・ローズ(島内哲朗訳)『のめりこませる技術 誰が物語を操るのか』フィルムアート社、2012年。

フランク・ローズ『のめりこませる技術 誰が物語を操るのか』フィルムアート社、読了。本書は現代メディアを横断する「のめりこませる技術」を腑分けする現代メディア論。著者は元ワイアード誌編集長。膨大な事例を検証し、メディアの「物語性」に問題を提起…

覚え書:「書評:メディアとしての紙の文化史 ローター・ミュラー 著」、『東京新聞』2013年6月30日(日)付。

- 【書評】メディアとしての紙の文化史 ローター・ミュラー 著 2013年6月30日 写真 ◆心血注がれた手紙 [評者]小倉孝誠=慶応大教授 Eメールが一般化した現在、手紙を便箋に書くことは稀(まれ)になってきた。また電子書籍が広く普及すれば、紙媒体の本の…

覚え書:「書評:図書館に通う 当世「公立無料貸本屋」事情 宮田昇 著」、『東京新聞』2013年6月30日(日)付。

- 図書館に通う 当世「公立無料貸本屋」事情 宮田昇 著 2013年6月30日 写真 ◆借りて読む楽しみに誘う [評者]小田光雄=文芸評論家 宮田昇は戦後出版史における重要な証人であり、『翻訳権の戦後史』や出版太郎名義の出版時評『朱筆』をはじめとして、多く…

書評:広井良典『人口減少社会という希望 コミュニティ経済の生成と地球倫理』朝日新聞出版、2013年。

広井良典『人口減少社会という希望 コミュニティ経済の生成と地球倫理』朝日新聞出版、読了。私たちの直面する人口減少社会は「絶望」なのか。著者より豊かな社会へのステップアップ(希望)と捉え、幾つかの処方箋を提示する。フィールドワークに基づく身の…

覚え書:「書評:ヤマネコ・ドーム 津島佑子 著」、『東京新聞』2013年6月30日(日)付。

- 【書評】ヤマネコ・ドーム 津島佑子 著 2013年6月30日 写真 ◆血や国を超越する関係性 [評者]与那覇恵子=東洋英和女学院大教授、現代日本文学 本書は、気を緩めてしまうと一瞬、どの時代のどこに居るのか分からなくなってしまうほど、三人称の多声が響き…

覚え書:「今週の本棚・新刊:『波打ち際に生きる』=松浦寿輝・著」、『毎日新聞』2013年06月30日(日)付。

- 今週の本棚・新刊:『波打ち際に生きる』=松浦寿輝・著 毎日新聞 2013年06月30日 東京朝刊 (羽鳥書店・2310円) 詩人であり小説家であり批評家である著者は昨年3月、定年まで7年を残して東京大学の教壇を去った。その際におこなった「退官記念講演…

覚え書:「みんなの広場 平和憲法は理想の憲法」、『毎日新聞』2013年07月01日(月)付。

- みんなの広場 平和憲法は理想の憲法 無職 79(東京都練馬区) 1945(昭和20)年3月の東京大空襲の夜、私は猛火の中を逃げ回り九死に一生を得ました。たった一夜で町は焦土になり市民十万余人が焼き殺されました。そして約300万人の方があの忌まわ…

覚え書:「今週の本棚・新刊:『出雲大社 日本の神祭りの源流』=千家和比古、松本岩雄・編」、『毎日新聞』2013年06月30日(日)付。

- 今週の本棚・新刊:『出雲大社 日本の神祭りの源流』=千家和比古、松本岩雄・編 毎日新聞 2013年06月30日 東京朝刊 (柊風舎・1995円) 「平成の大遷宮」で関心が集まる出雲大社を歴史・考古・民俗・宗教学など多様な観点から分析している。神社とは?…

覚え書:「今週の本棚:堀江敏幸・評 『家と庭と犬とねこ』=石井桃子・著」、『毎日新聞』2013年06月30日(日)付。

- 今週の本棚:堀江敏幸・評 『家と庭と犬とねこ』=石井桃子・著 毎日新聞 2013年06月30日 東京朝刊 (河出書房新社・1680円) ◇「愛すべき小農場」の夢をはぐくんだ心の軌跡 敗戦の前年、「自分の生き方に迷っていた」石井桃子は、秋田県から生徒たちを…

生きるということは、それぞれの状況なりに、やはりしんどい

- あたりまえのことだが、原発の計画さえなけえれば未来はバラ色、というわけにはいかない。原発計画がなくなっても、生きるということは、それぞれの状況なりに、やはりしんどい。それでも、それを「原発あり」で生きるか、「原発なし」で生きるかは、まる…

覚え書:「今週の本棚:川本三郎・評 『周五郎伝−虚空巡礼』=齋藤愼爾・著」、『毎日新聞』2013年06月30日(日)付。

- 今週の本棚:川本三郎・評 『周五郎伝−虚空巡礼』=齋藤愼爾・著 毎日新聞 2013年06月30日 東京朝刊 (白水社・3570円) ◇「苦労人の文学」が秘める豊かな慰藉の力 純文学と大衆文学が画然とわかれていた時代があった。その時代は、文壇では川端康成、…

覚え書:「今週の本棚:池内紀・評 『追悼の文学史』=講談社文芸文庫・編」、『毎日新聞』2013年06月30日(日)付。

- 今週の本棚:池内紀・評 『追悼の文学史』=講談社文芸文庫・編 毎日新聞 2013年06月30日 東京朝刊 ◇池内紀(おさむ)・評 (講談社文芸文庫・1575円) ◇時の遠近に整序され、交錯する生と死の風景 ナルホド、こういう本づくりもあったのかと、おもわず…

書評:南川高志『新・ローマ帝国衰亡史』岩波新書、2013年。

- では、この課題に挑戦した結果、ローマ帝国の衰亡とは何であったといえるだろうか。 それは、「ローマ人である」という、帝国を成り立たせていた担い手のアイデンティティが変化し、国家の本質が失われてゆく過程であった。それが私の描いた「ローマ帝国衰…

覚え書:「なぜ人間は泳ぐのか?―水泳をめぐる歴史、現在、未来 [著]リン・シェール [評者]荒俣宏」、『朝日新聞』2013年06月23日(日)付。

- なぜ人間は泳ぐのか?―水泳をめぐる歴史、現在、未来 [著]リン・シェール [評者]荒俣宏(作家) [掲載]2013年06月23日 [ジャンル]歴史 ■水と人間の驚くべき雑学百科 著者はごくふつうの女性スイマー。70歳を前にしてヨーロッパとアジアをつなぐヘレスポン…

[文化評論[書籍・雑誌]覚え書:「高岡重蔵活版習作集 [著]高岡重蔵 [評者]内澤旬子」、『朝日新聞』2013年06月23日(日)付。

- 高岡重蔵活版習作集 [著]高岡重蔵 [評者]内澤旬子(文筆家・イラストレーター) [掲載]2013年06月23日 [ジャンル]アート・ファッション・芸能 ■本場顔負けの欧文組み版の技 ワインのラベルや古い洋書の文字が好きだ。強い主張はないのにきちんと美しい。パソ…