2013-07-01から1ヶ月間の記事一覧

覚え書:「ナショナリズムの誘惑 [著]木村元彦・園子温・安田浩一」、『朝日新聞』2013年07月14日(日)付。

- ナショナリズムの誘惑 [著]木村元彦・園子温・安田浩一 [掲載]2013年07月14日 [ジャンル]ノンフィクション・評伝 国際 かつて旧ユーゴの民族紛争を取材した木村、日本と中国の青年たちが殺し合う映画を18年前につくっていた園、在日コリアンへのヘイトス…

覚え書:「欲望の美術史 [著]宮下規久朗 [評者]横尾忠則」、『朝日新聞』2013年07月14日(日)付。

- 欲望の美術史 [著]宮下規久朗 [評者]横尾忠則(美術家) [掲載]2013年07月14日 [ジャンル]アート・ファッション・芸能 新書 ■「食欲」から「死」までの美の小径 画家が主題の選択に迷い、その拠(よ)りどころを一体どこに求めるべきかと心を煩悶(はんもん…

書評:澁谷知美『立身出世と下半身 男子学生の性的身体の管理の歴史』洛北出版、2013年。

澁谷知美『立身出世と下半身』洛北出版、読了。なぜ少年は性から遠ざけられるのか。その起源は明治中葉に存在する。国家に有益な立身出世を目指す刻苦勉励のために性的品行は慎むべし。少年を取り巻く性的環境は学校、警察、社会を挙げて一元化されてゆく。…

覚え書:「蘇生した魂をのせて/石牟礼道子―魂の言葉、いのちの海 [著]石牟礼道子 [評者]いとうせいこう」、『朝日新聞』2013年07月14日(日)付。

- 蘇生した魂をのせて/石牟礼道子―魂の言葉、いのちの海 [著]石牟礼道子 [評者]いとうせいこう(作家・クリエーター) [掲載]2013年07月14日 [ジャンル]人文 ノンフィクション・評伝 ■「公」とは何か、水俣から学ぶ 藤原書店から出ている全集も大詰めを迎えつ…

覚え書:「素顔の新美南吉―避けられない死を前に [著]斎藤卓志 [評者]出久根達郎」、『朝日新聞』2013年07月14日(日)付。

- 素顔の新美南吉―避けられない死を前に [著]斎藤卓志 [評者]出久根達郎(作家) [掲載]2013年07月14日 [ジャンル]ノンフィクション・評伝 ■聞き書きで創作の実態明らかに 「里にいでて手袋買ひし子狐(こぎつね)の童話のあはれ雪降るゆふべ」。美智子皇后の…

覚え書:「みんなの広場 ヘイトスピーチ撲滅の法を」、『毎日新聞』2013年07月08日(月)付。

- みんなの広場 ヘイトスピーチ撲滅の法を 農業 62(京都府木津川市) 本紙の報道で、ヘイトスピーチなるものを知った。特定の民族、集団の名を挙げて「殺せ」などと憎悪をかきたてる発言をする。ここでユネスコ憲章を考えてみたい。全文に、こうある。「戦…

覚え書:「トロツキー(上・下) [著]ロバート・サーヴィス [評者]保阪正康」、『朝日新聞』2013年07月14日(日)付。

- トロツキー(上・下) [著]ロバート・サーヴィス [評者]保阪正康(ノンフィクション作家) [掲載]2013年07月14日 [ジャンル]ノンフィクション・評伝 表紙画像 著者:ロバート・サーヴィス、山形浩生 出版社:白水社 価格:¥ 4,200Amazon.co.jp楽天ブックス…

覚え書:「書評:落語で味わう江戸の食文化 林秀年著」、『東京新聞』2013年07月14日(日)付。

- 落語で味わう江戸の食文化 林秀年 著 2013年7月14日 写真 ◆演目眺め腹いっぱい [評者]八木忠栄=詩人・文筆家 食べ物や酒が出てくる落語は多い。寄席でおいしいものが出てくる落語を聴いた帰りには、じっくり飲食したくなる。たとえば、出来のいい「青菜…

「われわれはなにもかもが人間の尺度にあわない世界に生きている」からこそ。

- 数世紀におよぶ進化をとげたあげく、われわれの時代になって近代文明がとるにいたった形態ほど、これまで述べてきた理想にいちじるしく逆らうものは、まずもって構想不能である。個人が偶然まかせの集合体にかくも完璧にゆだねられたことはなく、おのれの…

覚え書:「今週の本棚・新刊:『私の最高裁判所論 憲法の求める司法の役割』=泉徳治・著」、『毎日新聞』2013年07月14日(日)付。

- 今週の本棚・新刊:『私の最高裁判所論 憲法の求める司法の役割』=泉徳治・著 毎日新聞 2013年07月14日 東京朝刊 (日本評論社・2940円) 日本の司法は長年、三権分立の中で消極主義だといわれてきた。それは、最高裁が示した法令違憲判断が戦後わずか…

覚え書:「今週の本棚・新刊:『世界の壊れ方 時評二〇〇八〜二〇一二年』=町田幸彦・著」、『毎日新聞』2013年07月14日(日)付。

- 今週の本棚・新刊:『世界の壊れ方 時評二〇〇八〜二〇一二年』=町田幸彦・著 毎日新聞 2013年07月14日 東京朝刊 (未來社・2310円) 強引な単独行動主義が一つの頂点を極めたイラク戦争の後、米国の一極支配は揺らぎ、世界は中心を失ってゆく。長く国…

熟議民主主義の最大の敵は、合意形成を無視した宣伝合戦にある

今日、病院で入院している方の不在者投票をやっていたけど、投票するのはほとんど高齢の方ばかり。病棟の性質上、若い人は多くはないけど、それでも20代から40代のひとびとはほとんど投票していなかったのは事実。ついでだけど「だから、そういう手合い…

覚え書:「今週の本棚:白石隆・評 『オバマと中国』=J・A・ベーダー著」、『毎日新聞』2013年07月14日(日)付。

- 今週の本棚:白石隆・評 『オバマと中国』=J・A・ベーダー著 毎日新聞 2013年07月14日 東京朝刊 (東京大学出版会・2625円) ◇対アジア政策「戦術的」決定の内幕 オバマ大統領の外交政策チームの一人として、2009〜11年、国家安全保障会議(N…

覚え書:「今週の本棚:鹿島茂・評 『メディアとしての紙の文化史』=ローター・ミュラー著」、『毎日新聞』2013年07月14日(日)付。

- 今週の本棚:鹿島茂・評 『メディアとしての紙の文化史』=ローター・ミュラー著 毎日新聞 2013年07月14日 東京朝刊 (東洋書林・4725円) ◇魔術的な「文明のインフラ」の過去と未来 人類最大の発明が文字だとすると、印刷術の発明がそれに次ぐ。しかし…

書評:中西竜也『中華と対話するイスラーム 17−19世紀中国ムスリムの思想的営為』京都大学学術出版会、2013年。

中西竜也『中華と対話するイスラーム 17−19世紀中国ムスリムの思想的営為』京都大学学術出版会、読了。俗にイスラームは商人の宗教といわれたように、在中ムスリムはイスラーム勃興期に起源をもつ。本書は、アジア各地からやってきたムスリム移民の土着内開…

覚え書:「今週の本棚・この3冊:沖縄文化に触れる=俵万智・選」、『毎日新聞』2013年07月14日(日)付。

- 今週の本棚・この3冊:沖縄文化に触れる=俵万智・選 毎日新聞 2013年07月14日 東京朝刊 <1>神に追われて(谷川健一著/新潮社/品切れ) <2>ウミンチュの娘(今井恒子著/角川書店/1575円) <3>ああ、沖縄の結婚式!−−抱腹絶倒エピソード(…

覚え書:「今週の本棚・本と人:『二・二六事件の幻影』 著者・福間良明さん」、『毎日新聞』2013年07月14日(日)付。

- 今週の本棚・本と人:『二・二六事件の幻影』 著者・福間良明さん 毎日新聞 2013年07月14日 東京朝刊 (筑摩書房・2310円) ◇映画で読む、変革への欲望史−−福間良明(ふくま・よしあき)さん 戦前最大のクーデター、2・26事件(1936年)は戦後、…

書評:伊藤順一郎『精神科病院を出て、町へ ACTがつくる地域精神医療』岩波ブックレット、2012年。

伊藤順一郎『精神科病院を出て、町へ ACTがつくる地域精神医療』岩波ブックレット、読了。従来、精神疾患をもつ人々への治療は閉鎖病棟での長期入院が担ってきたが、本書は、近年注目を浴びる地域生活に根ざした訪問医療(ACT)プログラのを最前線を紹介。精…

覚え書:「第一回普選と選挙ポスター―昭和初頭の選挙運動に関する研究 [著]玉井清 [評者]出久根達郎」、『朝日新聞』2013年07月07日(日)付。

- 第一回普選と選挙ポスター―昭和初頭の選挙運動に関する研究 [著]玉井清 [評者]出久根達郎(作家) [掲載]2013年07月07日 [ジャンル]政治 ■好んで使われた「昭和維新」 参議院議員選挙が始まった。今回から候補者はインターネットを使って運動することが認め…

覚え書:「少女と魔法―ガールヒーローはいかに受容されたのか [著]須川亜紀子 [評者]水無田気流」、『朝日新聞』2013年07月07日(日)付。

- 少女と魔法―ガールヒーローはいかに受容されたのか [著]須川亜紀子 [評者]水無田気流(詩人・社会学者) [掲載]2013年07月07日 [ジャンル]アート・ファッション・芸能 社会 ■日本生まれの強く可愛い魔女 日本の魔法少女物アニメ番組は、過去40年以上にもわ…

書評:佐々木俊尚『レイヤー化する世界 テクノロジーとの共犯関係が始まる』NHK出版新書、2013年。

- 金融市場、宗教団体、民族組織、テロリスト、ボランティア活動、自然保護運動、展覧会、国際イベント、ファッション、アートなどさまざまな分野でさまざな人たちや団体がそれぞれにレイヤーをつくり、そこで活動していくでしょう。 そしてそれらのレイヤー…

覚え書:「シッダールタの旅 [著]ヘッセ [構成・写真]竹田武史 [評者]横尾忠則」、『朝日新聞』2013年07月07日(日)付。

- シッダールタの旅 [著]ヘッセ [構成・写真]竹田武史 [評者]横尾忠則(美術家) [掲載]2013年07月07日 [ジャンル]アート・ファッション・芸能 国際 ■煩悩と解脱、輪廻の天地を活写 三島由紀夫氏の死の3日前の電話で「インドには呼ばれる者とそうでない者がい…

覚え書:「輸血医ドニの人体実験―科学革命期の研究競争とある殺人事件の謎 [著]ホリー・タッカー [評者]内澤旬子」、『朝日新聞』2013年07月07日(日)付。

- 輸血医ドニの人体実験―科学革命期の研究競争とある殺人事件の謎 [著]ホリー・タッカー [評者]内澤旬子(文筆家・イラストレーター) [掲載]2013年07月07日 [ジャンル]ノンフィクション・評伝 ■血は畏怖の対象、生命の定義問う 現代では、ごく当たり前の処置…

社会を批判的にまなざす「力」

金曜日の授業にて、哲学の講座は残り1回になりました。最初の授業から口をすっぱく言っているのですが、本来、大学での学問、なかんずく教養教育とは、例えばそれが外国語を学習するものであったとしても、何かそれは社会の要請に応えるという名の馴化とし…

覚え書:「今を生きるための現代詩 渡邊十絲子著」、『東京新聞』2013年07月07日(日)付。

- 今を生きるための現代詩 渡邊十絲子著 2013年7月7日 写真 ◆わからなさを慈しむ [評者]横木徳久=文芸評論家 昔から多くの「詩の入門書」が書かれてきた。それは詩の読解方法が世間一般になかなか定着しない事情とともに、つねにスタンダードを壊して「今…

覚え書:「もうひとつのこの世 石牟礼道子の宇宙 渡辺京二著」、『東京新聞』2013年07月07日(日)付。

- もうひとつのこの世 石牟礼道子の宇宙 渡辺京二著 2013年7月7日 写真 ◆情念が支える知の全体性 [評者]三砂ちづる=津田塾大教授 ほかでもない。渡辺京二による石牟礼道子論である。のちに『苦海浄土』として世に出る「ゆき女聞き書」や「天の魚」を誰よ…

書評:奥井智之『プライドの社会学 自己をデザインする夢』筑摩書房、2013年。

奥井智之『プライドの社会学 自己をデザインする夢』筑摩書房、読了。プライドとは、個人の資質に属しつつも社会的文脈で価値が評価されなければ機能しない。二重に拘束される評価体系を著者はプライド・システムと呼び、従来、心理学の研究対象とされたプラ…

覚え書:「今週の本棚・新刊:『森のふしぎな生きもの 変形菌ずかん』=川上新一・著、伊沢正名・写真」、『毎日新聞』2013年07月07日(日)付。

- 今週の本棚・新刊:『森のふしぎな生きもの 変形菌ずかん』=川上新一・著、伊沢正名・写真 毎日新聞 2013年07月07日 東京朝刊 (平凡社・1680円) 変形菌(粘菌)は、小さくて、色とりどりで、自由自在にかたちが変わる不思議な生きもの。アメーバにな…

覚え書:「今週の本棚・新刊:『新訳 茶の本』=岡倉覺三・著」、『毎日新聞』2013年07月07日(日)付。

- 今週の本棚・新刊:『新訳 茶の本』=岡倉覺三・著 毎日新聞 2013年07月07日 東京朝刊 (明石書店・1575円) 『茶の本』は、日本のほか東アジアの芸術精神を英文で紹介した岡倉天心の代表作として名高い。いや、こんな説明の仕方こそ、美術史家の訳者が…

覚え書:「みんなの広場 『恥ずかしい大人』はどっちだ」、『毎日新聞』2013年07月05日(金)付。

- みんなの広場 「恥ずかしい大人」はどっちだ 無職 66(神奈川県茅ヶ崎市) 安倍晋三首相が渋谷での街頭演説の際、近くで集会を開いていたグループの市民たちを「左翼の人達」「恥ずかしい大人」とフェイスブックに書き込んだそうです。そのグループにと…