格差・不平等

覚え書:「くらしの明日 私の社会保障論 誰にも介護虐待のリスク=湯浅誠」、『毎日新聞』2013年03月22日(金)付。

- くらしの明日 私の社会保障論 誰にも介護虐待のリスク 湯浅誠 反貧困ネットワーク事務局長 親が要介護になる。介護ヘルパーを頼んでも、必要な介護のすべてがカバーできるわけではない。家族・親族でカバーするしかないが、昔の大家族ならともかく、今の核…

覚え書:「今週の本棚:インド 姿を消す娘たちを探して=ギーター・アラヴァムダン・著」、『毎日新聞』2013年03月17日(日)付。

- 今週の本棚:インド 姿を消す娘たちを探して ギーター・アラヴァムダン・著 (つげ書房新社・2310円) インドのカーラム元大統領が「まえがき」を書いている。女性は「神からの贈物」であり、本書は「私たちの良心を目覚めさせてくれます」と。この本…

覚え書:「書評:『アメリカ、ヘテロトピア 自然法と公共性』 宇野邦一著 評・宇野重規」、『毎日新聞』2013年03月03日(日)付。

- 『アメリカ、ヘテロトピア 自然法と公共性』 宇野邦一著評・宇野重規(政治学者・東京大教授) 根底にある混沌と葛藤 私たちは、本当にアメリカのことを知っているのだろうか。 なるほど、アメリカを語る言葉は無数にあり、一つひとつの説明はそれなりにも…

覚え書:「書評:漂流老人ホームレス社会 [著]森川すいめい [評者]松永美穂」、『朝日新聞』2013年03月10日(日)付。

- 漂流老人ホームレス社会 [著]森川すいめい [評者]松永美穂(早稲田大学教授・ドイツ文学) [掲載]2013年03月10日 [ジャンル]社会 ■表向きの平等が孤立に追いやる 新宿西口にずらりと並ぶ段ボールハウスが話題になった時期があった。都内の大きな公園に、ブル…

覚え書:「書評:写真家 井上青龍の時代 太田順一著」、『東京新聞』2013年3月3日(日)付。

- 書評:写真家 井上青龍の時代 太田 順一 著 2013年3月3日 ◆体を張って撮る貧困の底 [評者] 吉田 司 ノンフィクション作家。著書に『王道楽土の戦争』など。 東日本大震災の復旧事業で暴力団が労働者を違法派遣し儲(もう)けているとか、最近の非正規雇…

覚え書:「今週の本棚:差別の境界をゆく 生活世界のエスノグラフィー=岸衛・桜井厚・著」、『毎日新聞』2013年03月03日(日)付。

- 今週の本棚:差別の境界をゆく 生活世界のエスノグラフィー 岸衛・桜井厚・著 (せりか書房・2415円) ライフストーリーの研究者2人が滋賀県の被差別部落を中心に1990年から約20年にわたり、丹念に聞き取りした内容をまとめた。年齢も立場もさ…

覚え書:「今週の本棚:中村達也・評 『現代日本の労働経済−分析・理論・政策』=石水喜夫・著」、『毎日新聞』2013年03月03日(日)付。

- 今週の本棚:中村達也・評 『現代日本の労働経済−分析・理論・政策』=石水喜夫・著毎日新聞 2013年03月03日 東京朝刊 (岩波書店・2940円) ◇人口減少の現実を見極める「政治経済学」 熱い想(おも)いの込められた書である。著者は、六年間にわたって…

覚え書:「異論反論 生活保護費が削減されました=雨宮処凛」、『毎日新聞』2013年02月27日(水)付。

- 異論反論 生活保護費が削減されました 寄稿 雨宮処凛「どん底への競争」止めよ 1月29日、この国の「最後のセーフティーネット」が切り崩されるような決定がなされたことをご存じだろうか? それは生活保護費の削減。過去最大の引き下げで、96%の世帯…

覚え書:「今週の本棚:『橋下徹現象と部落差別』=宮崎学・小林健治・著」、『毎日新聞』2013年02月24日(日)付。

- 今週の本棚:橋下徹現象と部落差別 宮崎学・小林健治著 (にんげん出版モナド新書) 橋下徹・大阪市長の出自を取り上げて論じた『週刊朝日』の緊急連載は、橋下氏の抗議などを受けて中止に追い込まれた。そうした報道の問題点について、作家の宮崎学氏と部…

覚え書:「時流底流 『ミゼラブル』な番号=小笠原みどり」、『毎日新聞』2013年02月23日(日)付。

- 時流底流 「ミゼラブル」な番号 小笠原みどり ジャーナリスト ミュージカル映画「レ・ミゼラブル」が日本で洋画久々の大ヒットとなっている。人が困難な人生を生きるのに必要なのはなによりも愛と信頼であること、理想のために闘い倒れても精神を受け継ぐ…

覚え書:「異論反論 安倍首相が沖縄を訪問しました=佐藤優」、『毎日新聞』2013年02月20日(水)付。

- 異論反論 安倍首相が沖縄を訪問しました 寄稿 佐藤優「沖縄の主権」直ちに認めよ 2日、安倍晋三首相が日帰りで沖縄を訪問し、仲井真弘多県知事と会談した。報道から判断すると、MV22オスプレイの沖縄配備強行問題、米開閉隊普天間飛行場の辺野古(同…

絶望工場日記(2)

- ごく一般的な話として、あらゆる種類の領域において全面的もしくはほぼ全面的に技術(テクニーク)が支配するとき、いたるところで悪が優勢になることは避けられない。 技術者はかならず支配者たらんとする。自分たちこそ問題を熟知する専門家だと感じてい…

覚え書:「くらしの明日 私の社会保障論 対人支援インフラ整備を=湯浅誠」、『毎日新聞』2013年02月22日(金)付。

- くらしの明日 私の社会保障論 対人支援のインフラ整備を 湯浅誠 反貧困ネットワーク事務局長自殺対策が生み出した利益3000億円 お金の話をしたい。 交通事故で人が亡くなると、加害者は被害者遺族に対して賠償する。その金額は逸失利益を踏まえて算出…

覚え書:「書評:写真家 井上青龍の時代 [著]太田順一 [評者]後藤正治(ノンフィクション作家)」、『朝日新聞』2013年02月17日(日)付。

- 写真家 井上青龍の時代 [著]太田順一 [評者]後藤正治(ノンフィクション作家) [掲載]2013年02月17日 [ジャンル]ノンフィクション・評伝 ■ドヤ街に住み、撮影した無頼派 大阪・釜ケ崎は日本有数のドヤ街として知られる。昭和30年代、幾度か暴動も起きた。…

覚え書:「今週の本棚:スウェーデン 高齢者福祉改革の原点=イーヴァル・ロー=ヨハンソン・著」、『毎日新聞』2013年02月03日(日)付。

- 今週の本棚:スウェーデン 高齢者福祉改革の原点 イーヴァル・ロー=ヨハンソン・著 (新評論・2940円) スウェーデンの老人ホームの現状を批判した、有名なヨハンソンの古典的な本『スウェーデンの高齢者』(一九五二年)がはじめて邦訳され、同じ著…

書評:水島治郎『反転する福祉社会 オランダモデルの光と影』岩波書店、2012年。

水島治郎『反転する福祉社会 オランダモデルの光と影』岩波書店、読了。働き方と社会福祉に関するオランダの取り組みは、社会的「包摂」の理想とされるが、同時に「移民排除」と「移民統合(同化)」を強固に推進している。本書は対極に見える現象の背景に目…

覚え書:「くらしの明日 私の社会保障論 就活に見る親の経済格差」、『毎日新聞』2013年02月01日(金)付。

- くらしの明日 私の社会保障論 就活に見る親の経済格差 山田昌弘 中央大教授階級社会が到来するかも 大学3年生の就職活動がスタートした。そんな中、大手書店で「親の就活コーナー」を見つけた。親のための就活の心得といった内容の本が大量に置かれている…

覚え書:「今週の本棚:無縁介護=山口道宏・編著」、『毎日新聞』2013年01月27日(日)付。

- 今週の本棚:無縁介護 山口道宏・編著 (現代書館・1680円) 世界最速級で高齢化が進む中、身寄りもなく、誰にも知られずひっそり死んでいく孤独死(無縁死)が増えている。福祉を受けるには、自ら申請しないと役所が動かない問題を『申請主義の壁!』…

覚え書:「くらしの明日 私の社会保障論 生活保護見直し 影響は?=湯浅誠」、『毎日新聞』2013年01月25日(金)付。

- くらしの明日 私の社会保障論 生活保護見直し 影響は? 湯浅誠 反貧困ネットワーク事務局長下がるのは「国民生活の最低ライン」 「生活保護を受けている人たちは、ちょっともらい過ぎではないか」と問えば、7〜8割の人が「そうだ」と答えるだろう。では…

覚え書:「今週の本棚:池澤夏樹・評 『最後の人 詩人 高群逸枝』=石牟礼道子・著」、『毎日新聞』2013年01月13日(日)付。

- 今週の本棚:池澤夏樹・評 『最後の人 詩人 高群逸枝』=石牟礼道子・著 (藤原書店・3780円) ◇名作の萌芽を支え、促した出会いの記録 世界経済フォーラム(WEF)二〇一二年の「世界男女格差報告」によれば日本は百三十五か国のうちの百一位である…

覚え書:「書評:戦後沖縄と米軍基地―「受容」と「拒絶」のはざまで [著]平良好利 [評者]中島岳志」、『朝日新聞』2013年01月06日(日)付。

- 戦後沖縄と米軍基地―「受容」と「拒絶」のはざまで [著]平良好利 [評者]中島岳志(北海道大学准教授・南アジア地域研究、政治思想史) ■固定化を進めた奇妙な連携 沖縄の米軍基地問題には、多様な主体が絡まる。立場の異なる住民、沖縄の政治リーダー、日本…

覚え書:「異論反論 働く母親の立場は厳しいままです=城戸久枝」、『毎日新聞』2013年01月09日(水)付。

- 異論反論 働く母親の立場は厳しいままです 寄稿 城戸久枝共働きしやすい環境整備を 2歳になる息子と散歩をしていたとき、見知らぬ高齢の女性に声をかけられた。「一人っ子はダメよ。もう一人、産んじゃいなさい。亡くなったら悲惨よ」 唐突な話に少々驚い…

覚え書:「出版:生活保護、実態知って 元受給者が経験を本に」、『毎日新聞』2013年01月04日(木)付(東京夕刊)。

- 出版:生活保護、実態知って 元受給者が経験を本に 毎日新聞 2013年01月04日 東京夕刊 「生活保護制度は人間をダメにする制度ではありません」−−。生活保護への風当たりが強まる中、元受給者が自身の経験をありのままにつづった「生活保護とあたし」(あけ…

覚え書:「書評:社会運動の戸惑い [著]山口智美・斉藤正美・荻上チキ [評者]中島岳志」、『朝日新聞』2012年12月16日(日)付。

- 社会運動の戸惑い [著]山口智美・斉藤正美・荻上チキ [評者]中島岳志(北海道大学准教授・南アジア地域研究、政治思想史)■フェミニズムと保守との対話 1990年代半ばに登場した「ジェンダーフリー」という言葉は、フェミニストによって政治化され、99…

絶望工場日記(1)

- 労働者の根こぎ 完全に、たえまなく、金銭に縛れている社会階層がある。賃金労働者である。なかでも、出来高払いの賃金体系が導入されて以来、小銭(スー)単位の勘定にたえず注意をむけざるをえない労働者がそうだ。根こぎの病はこの階層において先鋭化さ…

覚え書:「書評:ホームレス障害者 彼らを路上に追いやるもの [著]鈴木文治 [評者]上丸洋一」、『朝日新聞』2012年12月02日(日)付。

- ホームレス障害者 彼らを路上に追いやるもの [著]鈴木文治 [評者]上丸洋一(本社編集委員) 著者:鈴木文治 出版社:日本評論社■「排除」の原理に希望の風穴 著者は、川崎市にある日本基督教団桜本教会の伝道師である。盲学校、養護学校の校長を務めた障害児…

雑感20121203

うへぇ、今日から年末の工場(ライン作業)アルバイトが始まってしまう。 大学の非常勤で家族もいるわけですが、当然、それだけでは生計が立たない訳でして、致し方なしということです。工場で仕事をすること自体に、なにかわだかまりのようなものは特別あり…

覚え書:「くらしの明日 私の社会保障論 大きな社会構想の選択を=湯浅誠」、『毎日新聞』2012年11月23日(金)付。

- くらしの明日 私の社会保障論 大きな社会構想の選択を 湯浅誠 反貧困ネットワーク事務局長注目したい「政策のパッケージ化」 衆院が解散された。総選挙は12月16日投開票のため、東京都は知事選とのダブル選挙となる。 政党や議員の集合離散に、つい目を奪…

省察をおこなうには、まず隣人のところへ行って、隣人が生活するために、また生き延びるために、どのような仕方を採用しているかを見にいかねばならない

- 省察をおこなうには、そして自分について省察をおこなうには、まず隣人のところへ行って、隣人が生活するために、また生き延びるために、どのような仕方を採用しているかを見にいかねばならない。選ぶべき隣人はどんな隣人でもかまわない。というのも人文…

覚え書:「今週の本棚:リアル30’s “生きづらさ”を理解するために=『リアル』30’取材班」、『毎日新聞』2012年11月11日(日)付。

- 今週の本棚:リアル30’s “生きづらさ”を理解するために=『リアル』30’取材班 (毎日新聞社・1365円)「失われた20年」に青春期を過ごし、就職氷河期を経験した30歳世代。彼らの多くが感じる「生きづらさ」とは一体何かを、同世代の記者たちがて…