2012-04-01から1ヶ月間の記事一覧

キリスト教史を神学史として把握するだけでなく、キリスト教の果たした社会的役割をも重視する必要があるのではなかろうか

- 本郷教会の会員構成を『新人』一九〇五年二月号所載の「明治三七年度現在会員の概観」によって紹介しておこう。 (一)会員総数 三八〇(男二七六、女一〇四)。(二)東京在住 二八五、東京以外在住六七、居住調査中 二八。(三)東京在住者中一家庭を有…

書評:ジョン・キム『ウィキリークスからフェイスブック革命まで 逆パノプティコン社会の到来』ディスカヴァー・トゥエンティワン、2011年。

ジョン・キム『ウィキリークスからフェイスブック革命まで 逆パノプティコン社会の到来』ディスカヴァー・トゥエンティワン、2011年。従来のメディアの概念を根底から変えるソーシャル・メディアの眼差しを精緻に分析 ジョン・キムこと金正勲さん日本語での…

覚え書:「くらしの明日 私の社会保障論 「孤立死」をなくすには 湯浅誠」、『毎日新聞』2012年4月13日(金)付。

- くらしの明日 私の社会保障論 「孤立死」をなくすには 湯浅誠 反貧困ネットワーク 「アウトリーチ」専門職の創設を 今年に入り、一家全員が病死・餓死で発見される「孤立死」が相次いでいる。報道に出たのは、札幌、釧路、さいたま、東京・台東、同・立川…

書評:重田園江『ミシェル・フーコー 近代を裏から読む』ちくま新書、2011年。

重田園江『ミシェル・フーコー 近代を裏から読む』ちくま新書、2011年。 フランス現代思想家の入門書の中でも類書が最も多いのはミシェル・フーコーだろう。このことはそれだけフーコーの思想が注目されていると同時に、単純化や歪曲されて受容されているこ…

覚え書:「みんなの広場 背負えないものを次代に残すな 自営業 57(神戸市西区)」、『毎日新聞』2012年4月13日(金)付。

- みんなの広場 背負えないものを次代に残すな 自営業 57(神戸市西区) 大阪維新の会が3月に次期衆院選の政権公約のたたき台を発表。戦争放棄をうたった憲法9条改正の是非を問う国民投票が盛り込まれています。会代表の橋下徹・大阪市長は発表前の2月、…

親切丁寧?に仕込まれる「管理教育」への一抹の寂しさ

- 学生が受け身であればあるほど、大学はガイダンスやオリエンテーションに熱心になる。入学式がすむと、つづいて数日ガイダンスが行われる。必修や選択の科目がどうなっているか。卒業までに、あるいは専門課程に進むためには、どういう科目をとらなければ…

覚え書:「記者の目:米軍普天間飛行場の騒音問題=大治朋子」、『毎日新聞』2012年04月13日(金)付。

- 記者の目:米軍普天間飛行場の騒音問題=大治朋子 ◇教室の「日常」に目を向けよ 軍用機が上空を日常的に旋回する沖縄県・米軍普天間飛行場。米軍再編で移設問題が注目を集めているが、飛行場に隣接する宜野湾市立普天間第二小の騒音実態は、詳しくは知られ…

空蝉の 世にも似たるか 花桜 咲くと見しまに かつ散りにけり……キャンパスの桜の様子

キャンパスの櫻が見頃でした。 皆様にご紹介しておきます。

書評:ジェームズ・レイチェルズ(古牧徳生・次田憲和訳)『倫理学に答えはあるか―ポスト・ヒューマニズムの視点から―』世界思想社、2011年。

ジェームズ・レイチェルズ(古牧徳生・次田憲和訳)『倫理学に答えはあるか―ポスト・ヒューマニズムの視点から―』世界思想社、2011年。 嘘を付くことはなぜいけないのか。安楽死はいいのか・わるいのか……倫理学の対応すべき事柄は身の回りの雑事から社会的な…

哲学を学ぶ「私たち蝶々は非常に不確定で、大地の上に安全にすわって満足している人びとから見るとおそらくたいへん滑稽」ですがそこに学ぶ意義が存在する。

- 哲学的な生活態度の目標は、到達可能な、したがってまた完成されるような状態として定形的に表現されないものであります。私たちの状態は私たちの実存のたえざる努力やその断念の現象であるにすぎないのです。私たちの本質は「途上にあること」なのです。…

書評:リン・ハント(松浦義弘訳)『人権を創造する』岩波書店、2011年。

リン・ハント(松浦義弘訳)『人権を創造する』岩波書店、2011年 「人権という力強い考えの誕生と発展を描いた、すばらしい歴史書」 「人権という力強い考えの誕生と発展を描いた、すばらしい歴史書」。 この言葉は、本書に推薦の辞を寄せたアマルティア・セ…

笑いにおける「茶化し、低俗化、ふざけ」について

- 茶化しと低俗化 日本の際立った現象として仏教用語が茶化されたり低俗化されたり、ふざけに使われたりすることが頻繁に起こった。最近でもそうだが、西洋で新しい哲学思想が流行するとすぐ飛びつくけれども、何年かたつと、きれいさっぱりと忘れ去ってしま…

覚え書:「今週の本棚・新刊:『3・11後の多文化家族』=川村千鶴子・編著」、『毎日新聞』2012年04月08日(日)付。

- 今週の本棚・新刊:『3・11後の多文化家族』=川村千鶴子・編著 毎日新聞 2012年04月08日 (明石書店・2625円) 500キロの牛肉でステーキを被災者に振る舞った日系ブラジル人、スープカレー300人前を調理したビルマ(ミャンマー)難民など、外…

書評:アマルティア・セン(池本幸生訳)『正義のアイデア』明石書店、2011年。

時間がないのでブクログに書いた短評ですいません。書評:アマルティア・セン(池本幸生訳)『正義のアイデア』明石書店、2011年。 経済学の文脈で「正義」を構想できるのはアマルティア・セン(Amartya Sen,1933−)をおいては他にはいないだろう。制度設計…

覚え書:「今週の本棚:五味文彦・評 『被災地の博物館に聞く』=国立歴史民俗博物館・編」、『毎日新聞』2012年04月08日(日)付。

- 今週の本棚:五味文彦・評 『被災地の博物館に聞く』=国立歴史民俗博物館・編 (吉川弘文館・2625円) ◇歴史的資料の救出を通じた地域復興の試み 戦火や失火により博物館の被災はこれまでにもあったが、今回の東日本大震災のように津波によって博物館…

私のことを薄情者だとか「お前は人間じゃねぇ!!!」と罵声りつけてくださっても結構です

市井の職場に勤める方のお父さんが亡くなりました。 その都合で……忌引きで休みになりますので、休まれるところのフォロー……、大学の出勤日とのかねあいもあり、ひさしぶりに2週間連続仕事ちゅうという状況です。お父さんが亡くなれたことには、哀悼の意を抱…

覚え書:「ノーベル賞 グラス氏 ドイツ作家 イスラエル核非難の詩で物議」、『毎日新聞』2012年4月7日(土)付。

- ドイツ作家 イスラエル核非難の詩で物議 ノーベル賞 グラス氏【ベルリン篠田航一】小説「ブリキの太鼓」(1959年)で知られるドイツのノーベル文学賞作家、ギュンター・グラス氏(84)が4日付の南ドイツ新聞などに、事実上の核保有国とされるイスラエ…

「絶対だな!」という病

世の中に「絶対大丈夫」ということは、論理的には存在し得ないはずですが、流通している現状としてはだいたいの場合において結果としては「絶対」だったと機能する事例はよくあります。

覚え書:「みんなの広場 教育の行政従属化を憂える 無職 76(奈良市)」、『毎日新聞』2012年4月5日(木)付。

- みんなの広場 教育の行政従属化を憂える 無職 76(奈良市) 本紙の報道によると、3月に実施された大阪府立高校の卒業式で、君が代斉唱の際、弁護士でもある校長が教頭らに指示して、起立だけでなく、実際に歌っているかどうかを口の動きでチェックしてい…

一般教養教育をうけた者とは、安直で好まれやすい解答に抵抗できる者のことである

- 一般教養教育とは、正確にいって、学生を助けてこの問い(=「高貴な熱望にかかわる問い、『人間とは何か』という最大の問題のこと……引用者註)を自分で立てられるようにすることを意味する。答えは明らかではないが、かといって見いだせないわけでもない…

覚え書:「経済観測 中国軍拡の経済学 清華大学米中センター高級研究員 酒井吉廣」、『毎日新聞』2012年4月4日(水)付。

- 経済観測 中国軍拡の経済学 清華大学米中センター高級研究員 酒井吉廣 中国が軍備拡大を続けている。その目的は国家・国民の安全保障の強化だが、周辺諸国にとって中国の軍事力増強は大きな脅威だ。一方、軍拡は中国経済を下支えする効果を発揮しつつある…

世界の脱魔術化の進展が必然する運命への抵抗

- すでにわれわれの世紀の初めに、偉大な社会学者マックス・ヴェーバーは、世界の脱魔術化の進展という運命が官僚主義化の増大という運命となって現われる、と予言していた。爾来今日に至るまでわれわれは、こうした出来事が不可避なものであることを経験し…

覚え書:「キャンパス交友:入学前から 「ミクシィで知り合った」/大学が公式SNS開設」、『毎日新聞』2012年4月4日(水)付。

- キャンパス交友:入学前から 「ミクシィで知り合った」/大学が公式SNS開設 全国各地から学生が集まり、出会いに胸がときめく大学の入学式。最近は、ミクシィなどSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)を通じ、入学前から友達を作る学生が…

B級グルメ列伝:東京都千代田区編:キッチンカロリー

都内にはいわゆる「学生街」と呼ばれる街がいくつかある。 たいてい、割と古い大学を中心に、その学生が利用しやすい店が建ち並び、「学生の文化」とでもいうべき匂いが濃厚な地域をそう呼べるのではないかと思います。古本屋、長居のできる喫茶店、チェーン…

覚え書:「今週の本棚:松原隆一郎・評 『低線量被曝のモラル』=一ノ瀬正樹、伊東乾ほか著」、『毎日新聞』2012年4月1日(日)付。

- 今週の本棚:松原隆一郎・評 『低線量被曝のモラル』=一ノ瀬正樹、伊東乾ほか著 (河出書房新社・3360円) ◇議論が暴く「生活」と「研究」の隔たり 東日本大震災から1年。復興の槌音(つちおと)が響く地域もあるが、福島第1原発についてはまだまだ…

よい精神をもつというだけでは十分ではないのであって、たいせつなことは精神をよく用いること

- 良識はこの世で最も公平に配分されているものである。というのは、だれもかれもそれを十分に与えられていると思っていて、ほかのすべてのことでは満足させることのはなはだむずかしい人人でさえも、良識については、自分がもっている以上を望まぬのがつね…

覚え書:「論点 社会に出る君へ 堂々と間違える勇気を 寄稿 雨宮処凛 作家」、『毎日新聞』2012年4月1日(日)付。

- 論点 社会に出る君へ 堂々と間違える勇気を 寄稿 雨宮処凛 作家 考えてみれば、私は一度もマトモに「就職」というものをしたことがない。美大を2浪して受験をあきらめ、フリーターとなり、25歳で作家デビューした。そんな私が新社会人に贈れる言葉などあ…

新入学生に心掛けて欲しい3つのポイント(よき友、よき本、そしてほんものにふれること)

- 学而第一 子曰。学而時習之。不亦説乎。有朋自遠方来。不亦楽乎。人不知。而不慍。不亦君子乎。 子曰く、学んで時に之を習う。亦た悦ばしからずや。朋あり、遠方より来る。亦た楽しからずや。人知らずして慍(いきど)おらず。亦た君子ならずや。 −−宮崎市…

覚え書:「今週の本棚:海部宣男・評 『地球全史−−写真が語る46億年の奇跡』=写真・白尾元理、解説・清川昌一」、『毎日新聞』2012年4月1日(日)付。

- 今週の本棚:海部宣男・評 『地球全史−−写真が語る46億年の奇跡』=写真・白尾元理、解説・清川昌一 (岩波書店・4620円) ◇はるかな時を刻む私たちの大地 文学や映画であまりにも有名な、ドーバーの白い崖。本当に真っ白く、そして巨大にそそり立つ…

グローバルリズムか伝統への回帰か……そっと二元論を退ける「中国化する日本」

今日のグローバル社会の原型は宋代の中国で誕生した。そしてそのグローバリズムの挑戦への対応が日本という国の足跡ではなかったのか−−。そう大胆に描写する本書の基本図式には何ら異論はない。 宋代に誕生したシステムとは、1)皇帝を支える官僚、2)貨幣…