2014-07-01から1ヶ月間の記事一覧

覚え書:「今週の本棚:白石隆・評 『なぜ貧しい国はなくならないのか−正しい開発戦略を考える』=大塚啓二郎・著」、『毎日新聞』2014年07月20日(日)付。

- 今週の本棚:白石隆・評 『なぜ貧しい国はなくならないのか−正しい開発戦略を考える』=大塚啓二郎・著 毎日新聞 2014年07月20日 東京朝刊 (日本経済新聞出版社・3024円) ◇実地調査に裏付けられた知見に説得力 「開発経済学」、つまり「貧しい開発途…

覚え書:「集団的自衛権:閣議決定 全国紙の論調二分、大半の地方紙は批判」、『毎日新聞』2014年07月21日(月)付。

- 集団的自衛権:閣議決定 全国紙の論調二分、大半の地方紙は批判 毎日新聞 2014年07月21日 東京朝刊 従来の政府見解を転換して、安倍晋三政権が今月1日、集団的自衛権が使えるように憲法解釈を変更する閣議決定をしたことを受けて、全国の新聞は翌日紙面の…

覚え書:「今週の本棚・本と人:『殺人出産』 著者・村田沙耶香さん」、『毎日新聞』2014年07月20日(日)付。

- 今週の本棚・本と人:『殺人出産』 著者・村田沙耶香さん 毎日新聞 2014年07月20日 東京朝刊 (講談社・1512円) ◇正義と命の根幹を疑う−−村田沙耶香(むらた・さやか)さん 「世界の美しさを信じている人の純粋さに、私はあこがれているのです」。とは…

覚え書:「今週の本棚:鴻巣友季子・評 『読書礼讃』=アルベルト・マングェル著」、『毎日新聞』2014年07月20日(日)付。

- 今週の本棚:鴻巣友季子・評 『読書礼讃』=アルベルト・マングェル著 毎日新聞 2014年07月20日 東京朝刊 (白水社・4104円) ◇作家は世界を変えられるか?への答え 稀代(きたい)の読書家にして比類なきポリマス(博覧強記者)のマングェル。人間には…

覚え書:「今週の本棚:沼野充義・評 『書物変身譚』=今福龍太・著」、『毎日新聞』2014年07月20日(日)付。

- 今週の本棚:沼野充義・評 『書物変身譚』=今福龍太・著 毎日新聞 2014年07月20日 東京朝刊 ◇『書物変身譚(しょもつへんしんたん)』 (新潮社・3456円) ◇時空超えた芸術・書物の文化人類学的渉猟 今福龍太による新著は、書物をめぐる美しいイメージ…

書評:ブルース・ローレンス(池内恵訳)『コーラン』ポプラ社、2008年。

ブルース・ローレンス(池内恵訳)『コーラン』ポプラ社。イスラームの聖典は一人のアラブ商人が受けた啓示から始まり、長い年月を経て人々に広がり、解釈され強大な信仰となった。その成り立ちと変遷を辿る本書は初学者の最初の一冊に相応しい。巻末に塩野…

覚え書:「今週の本棚:中村桂子・評 『ねずみに支配された島』=ウィリアム・ソウルゼンバーグ著」、『毎日新聞』2014年07月20日(日)付。

- 今週の本棚:中村桂子・評 『ねずみに支配された島』=ウィリアム・ソウルゼンバーグ著 毎日新聞 2014年07月20日 東京朝刊 (文藝春秋・1944円) ◇絶滅原因は人間が持ち込む侵入種 大洋に浮ぶ島は地球の陸地の五%にすぎないが、鳥類・哺乳類・爬虫(は…

覚え書:「今週の本棚・新刊:『とらわれた二人 無実の囚人と誤った目撃証人の物語』=ジェニファー・T−カニーノ、ロナルド・コットン、エリン・トーニオ著」、『毎日新聞』2014年07月20日(日)付。

- 今週の本棚・新刊:『とらわれた二人 無実の囚人と誤った目撃証人の物語』=ジェニファー・T−カニーノ、ロナルド・コットン、エリン・トーニオ著 毎日新聞 2014年07月20日 東京朝刊 ◇『とらわれた二人 無実の囚人と誤った目撃証人の物語』 (岩波書店・3…

覚え書:「現代思想の時代−−〈歴史の読み方〉を問う [著]大澤真幸・成田龍一」、『朝日新聞』2014年07月13日(日)付。

- 現代思想の時代−−〈歴史の読み方〉を問う [著]大澤真幸・成田龍一 [掲載]2014年07月13日 [ジャンル]社会 昨年創刊40年を迎えた雑誌「現代思想」の歩みは日本の(一般名詞としての)「現代思想」とどう絡み合っているのか。社会学者と歴史学者が語り合…

覚え書:「特集ワイド:集団的自衛権 五野井郁夫・高千穂大准教授と見た首相の国会答弁」、『毎日新聞』2014年07月16日(水)付、夕刊。

- 特集ワイド:集団的自衛権 五野井郁夫・高千穂大准教授と見た首相の国会答弁 毎日新聞 2014年07月16日 東京夕刊(写真キャプション)衆院予算委員会の開会を待つ五野井郁夫・高千穂大准教授。「国家の大きな方針転換をするのですから、安倍首相はその場しの…

覚え書:「風 [著]青山七恵」、『朝日新聞』2014年07月13日(日)付。

- 風 [著]青山七恵 [掲載]2014年07月13日 [ジャンル]文芸 人と人との関係とは、風のようにつかみどころがないものかもしれない。日常の鋭い観察眼に定評がある著者の短編集。いずれも世界や他者とつながりたい(がうまくできない)思いを抱えた女性が主人…

覚え書:「AIDで生まれるということ [編著]非配偶者間人工授精で生まれた人の自助グループ・長沖暁子 [評者]荻上チキ(「シノドス」編集長・評論家)」、『朝日新聞』2014年07月13日(日)付。

- AIDで生まれるということ [編著]非配偶者間人工授精で生まれた人の自助グループ・長沖暁子 [評者]荻上チキ(「シノドス」編集長・評論家) [掲載]2014年07月13日 [ジャンル]医学・福祉 社会 ■父親わからず苦悩する子ども AID=非配偶者間人工授精(…

覚え書:「谷川雁−−永久工作者の言霊 [著]松本輝夫 [評者]杉田敦(政治学者・法政大学教授)」、『朝日新聞』2014年07月13日(日)付。

- 谷川雁−−永久工作者の言霊 [著]松本輝夫 [評者]杉田敦(政治学者・法政大学教授) [掲載]2014年07月13日 [ジャンル]人文 社会 ■闘争から教育へ、ひそむ一貫性 筑豊の炭鉱で闘争を組織し、「原点が存在する」「連帯を求めて孤立を恐れず」など、鮮烈な言葉…

日記:なぜ国家は、生の意味づけをしたがるか

- なぜ国家は、生の意味づけをしたがるか この章では、民主主義で追求すべき最も重要な価値や理念について、考えてみたい。 政治で追求、確保すべき最大の価値は生命である。東日本大震災で多くの人命が失われたとき、生命こそ何にもまさる価値であることを…

覚え書:「フルサトをつくる−−帰れば食うに困らない場所を持つ暮らし方 [著]伊藤洋志、pha [評者]隈研吾(建築家・東京大学教授)」、『朝日新聞』2014年07月13日(日)付。

- フルサトをつくる−−帰れば食うに困らない場所を持つ暮らし方 [著]伊藤洋志、pha [評者]隈研吾(建築家・東京大学教授) [掲載]2014年07月13日 [ジャンル]文芸 社会 ■現代の参勤交代が日本を救う 参勤交代を復活すべきだというのが、養老孟司の説である…

覚え書:「ナショナリズム入門 [著]植村和秀 [評者]吉岡桂子(本社編集委員)」、『朝日新聞』2014年07月13日(日)付。

- ナショナリズム入門 [著]植村和秀 [評者]吉岡桂子(本社編集委員) [掲載]2014年07月13日 [ジャンル]政治 社会 ■どううまれ、歴史に作用したか 「愛国無罪」を叫ぶ反日デモを中国で幾度か取材し、政治が重用するナショナリズムを目の当たりにした。日本に…

覚え書:「皮膚−−文学史・身体イメージ・境界のディスクール [著]クラウディア・ベンティーン [評者]水無田気流(詩人・社会学者)」、『朝日新聞』2014年07月13日(日)付。

- 皮膚−−文学史・身体イメージ・境界のディスクール [著]クラウディア・ベンティーン [評者]水無田気流(詩人・社会学者) [掲載]2014年07月13日 [ジャンル]医学・福祉 社会 ■近代的人間観への変容を映す 自己と世界との境界線を象徴する、皮膚。それは表面…

覚え書:「くらしの明日 私の社会保障論 『ホンネ』使い間違えた? 釈然としない都議会ヤジ謝罪=湯浅誠」、『毎日新聞』2014年07月16日(水)付。

- くらしの明日 私の社会保障論 「ホンネ」使い間違えた? 釈然としない都議会ヤジ謝罪 湯浅誠 社会活動家 「個人の幸せは、それ自体が目的として尊重されるべきであり、別の目的の手段として位置づけられるべきではない」 これは正論だ。正論だから表立って…

覚え書:「死の都の風景 記憶と心象の省察 [著]オトー・ドフ・クルカ [評者]三浦しをん(作家)」、『朝日新聞』2014年07月13日(日)付。

- 死の都の風景 記憶と心象の省察 [著]オトー・ドフ・クルカ [評者]三浦しをん(作家) [掲載]2014年07月13日 [ジャンル]歴史 社会 ■収容所での生活 「美」と「郷愁」 ユダヤ系の歴史学者である著者は、十歳のころ、アウシュビッツの「家族収容区」へ入れら…

覚え書:「好奇心の赴くままに−−ドーキンス自伝1 私が科学者になるまで [著]リチャード・ドーキンス [評者]佐倉統(東京大学教授・科学技術社会論)」、『朝日新聞』2014年07月13日(日)付。

- 好奇心の赴くままに ドーキンス自伝1 私が科学者になるまで [著]リチャード・ドーキンス [評者]佐倉統(東京大学教授・科学技術社会論) [掲載]2014年07月13日 [ジャンル]科学・生物 社会 ■自然に誕生した『利己的な遺伝子』 ドーキンスは、世界の見方を…

覚え書:「夜は終わらない [著]星野智幸 [評者]いとうせいこう(作家・クリエーター)」、『朝日新聞』2014年07月13日(日)付。

- 夜は終わらない [著]星野智幸 [評者]いとうせいこう(作家・クリエーター) [掲載]2014年07月13日 [ジャンル]文芸■物語を欲望するニセ暴君の時代 『アラビアンナイト』はご存じのように千夜もの間、暴君に物語を語って聞かせ、自らの命をながらえるばかり…

覚え書:「書評:金持ちは税率70%でもいい VSみんな10%課税がいい ポール・クルーグマン ほか著」、『東京新聞』2014年07月13日(日)付。

- 金持ちは税率70%でもいい VSみんな10%課税がいい ポール・クルーグマン ほか著 2014年7月13日◆格差と税めぐる論戦 [評者]根井雅弘=京都大教授 格差社会の増税論をめぐるディベートの記録。論者四人のうちポール・クルーグマンら二人が金持ち増…

日記:しっかりとものを考えた思想家の本をはじめから終わりまで読み通し、その文体に慣れ、その思考を追思考すること

- 思考の訓練 普通の人間にとってものを考えるということは、そう容易なことではない。目をつむって、さて何かを考えようと思っても浮かぶのは妄想のたぐいであろう。ものを考えるには特殊な訓練が必要である。その訓練として私に考えられるのは、しっかりと…

覚え書:「書評:瀬戸内海モダニズム周遊 橋爪 紳也 著」、『東京新聞』2014年07月13日(日)付。

- 瀬戸内海モダニズム周遊 橋爪 紳也 著 2014年7月13日観光で開かれる時代 [評者]岡村民夫=法政大教授 江戸後期から明治初期に来日した西洋人らが、本州・四国間の灘の連なりとしてしか認識されてこなかった海域を一まとまりの内海・多島海として発見し、…

覚え書:「書評:昭和ノスタルジアとは何か 日高 勝之 著」、『東京新聞』2014年07月13日(日)付。

- 昭和ノスタルジアとは何か 日高 勝之 著 2014年7月13日◆郷愁誘う作品に潜む批判 [評者]藤井淑禎=立教大教授 本書の核となっているのは、映画『ALWAYS 三丁目の夕日』の大ヒットに象徴される二十一世紀初頭における懐古的な昭和三十年代ブームの画…

覚え書:「書評:暴露 スノーデンが私に託したファイル グレン・グリーンウォルド 著」、『東京新聞』2014年07月13日(日)付。

- 暴露 スノーデンが私に託したファイル グレン・グリーンウォルド 著 2014年7月13日◆ネットで世界の秘密握る [評者]吉田司=ノンフィクション作家 インターネットは「人間に自由を与える」反権力的なツールで、プライバシーを尊重する「匿名性の高い」電…

覚え書:「特集ワイド:集団的自衛権行使容認の閣議決定 ワイマール空文化、ナチスと同じ手口 三島憲一・大阪大名誉教授に聞く」、『毎日新聞』2014年07月14日(月)付(夕刊)。

- 集団的自衛権の行使容認が閣議決定されて以来、気になって仕方がないことがある。かつて世界で最も民主的とされたドイツのワイマール憲法がナチスによって骨抜きにされた歴史だ。そこから何を学ぶべきか。ドイツの政治思想史に詳しい三島憲一・大阪大名誉…

覚え書:「今週の本棚・新刊:『心のケアが必要な思春期・青年期のソーシャルワーク』=西隈亜紀・著」、『毎日新聞』2014年07月13日(日)付。

- 今週の本棚・新刊:『心のケアが必要な思春期・青年期のソーシャルワーク』=西隈亜紀・著 毎日新聞 2014年07月13日 東京朝刊 (中央法規・2808円) 引きこもりだった15歳のアキラさんは、家庭で暴力を振るうようになったため精神科病院へ入院、ソー…

覚え書:「今週の本棚・新刊:『親鸞 既往は咎めず』=佐藤洋二郎・著」、『毎日新聞』2014年07月13日(日)付。

- 今週の本棚・新刊:『親鸞 既往は咎めず』=佐藤洋二郎・著 毎日新聞 2014年07月13日 東京朝刊 ◇『親鸞(しんらん) 既往は咎(とが)めず』 (松柏社・1728円) 浄土真宗の開祖の若き日を描く長編小説。比叡山での修行を捨てて法然の門に入ったが、既…

覚え書:「今週の本棚:三浦雅士・評 『言語起源論の系譜』=互盛央・著」、『毎日新聞』2014年07月13日(日)付。

- 今週の本棚:三浦雅士・評 『言語起源論の系譜』=互盛央・著 毎日新聞 2014年07月13日 東京朝刊 (講談社・2484円) ◇ナショナリズムとの切り結びの文化史 「面白くてためになる」本である。さながら小説のように読める思想史。名著と言っていい。平凡…