差違理解

覚え書:「『ナショナリズムとの連動懸念』 集団的自衛権でナイ氏」、「(集団的自衛権 行方を問う)日本が進むべき道は 賛否や論点を聞く」、『朝日新聞』2014年03月16日(日)付。

- 「ナショナリズムとの連動懸念」 集団的自衛権でナイ氏 ワシントン=大島隆2014年3月16日03時12分 ジョセフ・ナイ・ハーバード大学教授 オバマ米政権に近い米国の知日派の代表格として知られる米国のジョセフ・ナイ・ハーバード大学教授(元米国防次官補)…

覚え書:「発言:海外から ネットで対話から信頼へ=朴裕河」、『毎日新聞』2014年03月12日(水)付。

- 発言 海外から ネットで対話から信頼へ 朴裕河(パクユハ) 世宗大教授 昨春、日本語のツイッターを始めた。「在日特権を許さない市民の会」(在特会)会長が「朝鮮半島有事の際は朝鮮人狩りに出る」と発言した時からだ。主に植民地支配や従軍慰安婦問題な…

日記:差別を温存する官僚主義とことなかれ主義

浦和レッズのサポーターによる「Japanese Only」の掲示問題。すったもんだの末、ようやく結末を迎えた。そもそも、指摘のあった時点で、厳格に対応すれば「済む」話な訳だったにもかかわらず、「差別と“うけとられる”恐れがあるかも」的なあいまいな対応を積…

日記:表現の自由を隠れ蓑にする和製フライコール

- 傷害:外国人排斥反対と勘違い、模造刀で切りつけ 川崎 毎日新聞 2014年03月04日 19時36分(最終更新 03月04日 20時55分) 神奈川県警公安2課などは3日、模造刀で男性を切りつけ軽傷を負わせたとして、東京都台東区の無職の男(32)を傷害容疑で逮捕し…

日記:中山成彬大先生と片山さつき大先生の「狂気」扇動

- 「アンネの日記」やその関連図書のページが大量に破られるという被害が昨年から今年にかけ、東京都内の公立図書館で相次いでいる。被害は少なくとも250冊以上になるとみられ、範囲も23区だけでなく市部にも及ぶ。 「アンネの日記」は第二次世界大戦中にオ…

書評:エルンスト・ヴァイス(瀬野文教訳)『目撃者』草思社、2013年。

- エルンスト・ヴァイス(瀬野文教訳)『目撃者』草思社、2013年、読了。日本ではなじみが薄いが20世紀ドイツ文学に最重要の位置を占めるヴァイス、待望の邦訳。モラビア出身のユダヤ人精神科医にしてカフカの友人は、ナチズム勃興期の市民生活の息吹を「…

書評:エドウィージ・ダンティカ(佐川愛子訳)『地震以前の私たち、地震以後の私たち それぞれの記憶よ、語れ』作品社、2013年。

- 危険を冒して創作する、危険を冒して読む人びとのために。これが、作家であることの意味だと私が常々思ってきたことだ。自分の言葉がたとえどんなに取るに足らないものに思えても、いつか、どこかで、だれかが命を賭けて読んでくれるかもしれないと頭のど…

書評:駒井洋監修、小林真生編『移民・ディアスポラ研究3 レイシズムと外国人嫌悪』明石書店、2013年。

駒井洋監修、小林真生編『移民・ディアスポラ研究3 レイシズムと外国人嫌悪』明石書店、読了。官民あげて高まる拝外主義とヘイトスピーチだが、その台頭に対する日本社会の認識も対応も著しく遅れている。本書は「レイシズムと外国人嫌悪」の実態を露わにし…

書評:安田敏朗『かれらの日本語 台湾「残留」日本語論』人文書院、2011年。

安田敏朗『かれらの日本語 台湾「残留」日本語論』人文書院、読了。植民地支配下の台湾における国語政策(日本語教育)の実態を明らかにすることで、しばしば郷愁を持って語られる“親日”国台湾の日本語受容の歪んだ歴史を本書は厳格に指摘する。「同化」「皇…

書評:師岡カリーマ・エルサムニー『変わるエジプト、変わらないエジプト』白水社、2012年。

師岡カリーマ・エルサムニー『変わるエジプト、変わらないエジプト』白水社、読了。11年の政変以来揺れ続けるエジプトについて私たちはどれだけのことを知っているのだろうか。ピラミッド? イスラーム? 最も歴史の長い地域のことを殆ど知らないのではな…

日記:心の個々の力の一面的な発展はどんなものでも……悲惨な結末に達し、思いがけない大事件が嵐のように殺到して

- 心の個々の力の一面的な発展はどんなものでも、それが合理的な力であろうと非合理的な力であろうと、全体をかき乱すおそれがあり、だんだん高まってゆくと最後には、個人にとっても集団にとっても民族全体にとっても、悲惨な結末に達し、思いがけない大事…

日記:「一つの民族を愛したことはないわ.ユダヤ人を愛せと? 私が愛すのは友人.それが唯一の愛情よ」(ハンナ・アーレント) 映画『ハンナ・アーレント』印象録

- ●クルトの家 アーレントを迎えるリフカ. アーレント 「リフカ,なぜ黙ってたの?」 リフカ 「クルトが“言うな”と」 看護師についてクルトの寝室に入るアーレント. クルトのアライ息づかいが聞こえている. 眠っているクルトの傍らに座り、クルトの手に触…

書評:J・スコット(佐藤仁監修、ほか翻訳)『ゾミア 脱国家の世界史』みすず書房、2013年。

J・スコット『ゾミア 脱国家の世界史』みすず書房、読了。ゾミア(大陸部東南アジア山岳地帯)の歩みとは文明から切り離された未開社会なのか。国家主義的ナラティブは山地民を野蛮と断ずるが、著者はNo。ゾミアこそ「脱国家」の共同体である。 山地民の…

覚え書:「ひと:辛淑玉さん=ヘイトスピーチを乗り越えるネット設立」、『毎日新聞』2013年12月11日(水)付。

- ひと:辛淑玉さん=ヘイトスピーチを乗り越えるネット設立 毎日新聞 2013年12月11日 東京朝刊 ◇辛淑玉(シン・スゴ)さん(54) 「憎悪の扇動に沈黙は許されない」。この秋、「ヘイトスピーチ(憎悪表現)とレイシズム(差別主義)を乗り越える国際ネット…

書評:野村真理『隣人が敵国人になる日 第一次世界大戦と東中欧の諸民族』人文書院、2013年。

野村真理『隣人が敵国人になる日 第一次世界大戦と東中欧の諸民族』人文書院、読了。一次大戦とは、独仏の直接対決と戦後の民族自決の印象から、帝国から国民国家へ歴史に見えるが、そう単純ではない。帰属意識も疎らな多民族混淆地域の東部戦線では「隣人が…

覚え書:ヘイトスピーチ規制と表現の自由に関するひとつの考え方。

- そもそも、国際自由権規約第二〇条第二項は差別の唱道を禁止するとしている。同第一項は戦争宣伝の禁止である。戦争宣伝の禁止と差別の禁止が同じ条文に規定されていることを無視してはならない。また、人種差別撤廃条約第四条は差別の煽動や人種的優越性…

書評:前田朗『増補新版 ヘイト・クライム 憎悪犯罪が日本を壊す』三一書房、2013年。

- 歴史を振り返れば、スターリンの大粛正、日本軍の三光政策・無人区政策、東京大空襲、ヒロシマ・ナガサキ、朝鮮戦争における国連軍の犯罪、ベトナム戦争・北爆。枯葉剤作戦、カンボジアのポルポト派による大虐殺、旧ユーゴスラヴィアの「民族浄化」、ルワ…

覚え書:「みんなの広場 歴史知ってほしい」、『毎日新聞』2013年11月23日(土)付。

- みんなの広場 歴史知ってほしい 大学生 21(東京都豊島区) 「特別永住って何ですか?」。その日、友人とのお酒の席を終え、帰路に就いた。駅を出た所に立つ巡査2人に身分証の提示を求められた。童顔の私が未成年に見えたのだろう。 「出身は?」「韓国で…

書評:有田芳生『ヘイトスピーチとたたかう! 日本版排外主義批判』岩波書店、2013年。

- 税金を納めないとか、医療や水道が無料とか、いちいち反論する必要もないでしょう。彼らの言う「特権」など、現実には存在しません。ありもしないものを「ある」と言い張る人と、ネットでその言い分を読んだ途端、なんの検証もせずに「真実を知った」と鵜…

日記:「今読んでいるんです」とはなかなか言えず「今読み返しているのですが」……

(twのまとめですが……)先週の続きで、今日も文学について少々お話をしました。『カラマーゾフの兄弟』における「人類」の議論から、社会実践としてのスピヴァクの可能性へ示唆を飛ばし、世界文学を読むケーススタディとしてゲーテを参照しました。我ながら…

覚え書:「記者の目:ヘイトスピーチ違法判決=松井豊(京都支局)」、『毎日新聞』2013年11月08日(金)付。

- 記者の目:ヘイトスピーチ違法判決=松井豊(京都支局) 毎日新聞 2013年11月08日 00時46分 ◇「差別」は在特会だけか 京都市の京都朝鮮第一初級学校の校門前で「在日特権を許さない市民の会(在特会)」が実施した街頭宣伝について、京都地裁は先月7日、人…

覚え書:「論点 [ヘイトスピーチ規制]」、『毎日新聞』2013年11月01日(金)付。

- 論点ヘイトスピーチ規制 在日コリアンを攻撃するヘイトスピーチ。朝鮮学校を標的にした市民団体の街宣活動について、京都地裁が10月7日、人種差別と認定して損害賠償を命じた。判決を機に、規制のあり方を巡る議論が活発になっている。 ことば・ヘイト…

覚え書:「記者の目:在特会ヘイトスピーチ違法判決=小泉大士」、『毎日新聞』2013年10月24日(木)付。

- 記者の目:在特会ヘイトスピーチ違法判決=小泉大士 毎日新聞 2013年10月24日 大音量の街宣活動で京都の朝鮮学校を中傷した「在日特権を許さない市民の会」(在特会)側に、京都地裁は今月7日、約1226万円の賠償と街宣活動の禁止を命じた。民族や出自…

書評:中見真理『柳宗悦 「複合の美」の思想』岩波新書、2013年。

中見真理『柳宗悦 「複合の美」の思想』岩波新書、読了。民藝運動の先駆者は、アイヌや沖縄といった帝国の辺境になぜ目を向けるのか−−。その謎を解くカギが「複合の美」。相互尊敬に基づく「複合の美」とは文化的多元性の尊重する態度である。柳の場合、それ…

覚え書:「みんなの広場 ヘイトスピーチへの判決 支持」、『毎日新聞』2013年10月16日(水)付。

- みんなの広場 ヘイトスピーチへの判決 支持 大学生 23(埼玉県草加市)京都の朝鮮学校近くでヘイトスピーチを繰り返した団体に対し、京都地裁が街頭宣伝などを人種差別と認定し、約1200万円の損害賠償などを命じた判決を強く支持する。ヘイトスピーチ…

書評:姜尚中『愛国の作法』朝日新書、2006年。

姜尚中『愛国の作法』朝日新書、読了。愛国心とは字の如く“国を愛する心”のこと。しかし私たちは「愛する」こととは何か? 「国」とは何か? 本当に理解しているのだろうか。本書はフロムから丸山眞男、橋川文三に至るまで−−を取りあげ、しばしば自明に思え…

書評:マーク・ユルゲンスマイヤー(立山良司監修、古賀林幸、櫻井元雄訳)『グローバル時代の宗教とテロリズム いま、なぜ神の名で人の命が奪われるのか』明石書店、2003年。

マーク・ユルゲンスマイヤー『グローバル時代の宗教とテロリズム いま、なぜ神の名で人の命が奪われるのか』明石書店、読了。宗教は本来、暴力に終止符を打ち、平和と秩序をもたらすものだが、「平和」を実現するために戦っているのが宗教の歴史。本書は、宗…

書評:北川達夫・平田オリザ『ニッポンには対話がない』三省堂、2008年。

- 北川 相手の見解があって自分の見解がある、それが対立する、対立するとお互いが変わってくる。まさに、その変わってくるところを楽しめるか、そこを重視できるかですよね。回避をせずに、対立を恐れないでぶつかって、そのうえでお互いにどう変われるか、…

日記:画一化の傾向にたいして本能的に反発し、マジョリティーと違った意見や傾向、学問でも、芸術でも、そういったものを本能的に保護しようとする伝統

- 丸山(眞男) アメリカではそういう傾向が最も極端にあるようですけれどもね、それに抵抗する要素も、さっき言ったようにあるんじゃないか。 高見(順) ありますね。その一例として、ぼくはいつも感心しているのですが、『タイム』のブック・レビュー欄。…

覚え書:「ヘイトスピーチ問題:6割以上知らず…大学生ら意識調査」、『毎日新聞』2013年08月09日(金)付。

- ヘイトスピーチ問題:6割以上知らず…大学生ら意識調査 毎日新聞 2013年08月09日 東京や大阪などで在日コリアン排斥などを掲げる「ヘイトスピーチ(憎悪表現)」デモなどを巡り、大都市圏の大学生ら約1000人に意識調査をしたところ、6割以上がヘイトス…