人種・民族

覚え書:「くらしの明日 私の社会保障論 外国人労働者に感謝を=湯浅誠」、『毎日新聞』2014年05月21日(水)付。

- くらしの明日 私の社会保障論 外国人労働者に感謝を 必要ならばモノ扱いやめよう湯浅誠 社会活動家 リーマン・ショックのとき、製造業などで働いていた大量の外国人労働者が解雇の憂き目にあった。多くは、親や祖父母が日本人の日系人だった。 再雇用のメ…

書評:前田朗編『なぜ、いまヘイト・スピーチなのか 差別、暴力、脅迫、迫害』三一書房、2013年。

前田朗編『なぜ、いまヘイト・スピーチなのか 差別、暴力、脅迫、迫害』三一書房、読了。「憎悪言論」と訳されるように言論・表現の自由のうちで理解されがちだが、果たしてそうなのか。 本書は最良の「ヘイト・スピーチを克服する思想を鍛えるためのガイド…

日記:「『大切な遍路道』を朝鮮人の手から守りましょう」こそ、空海の精神、そして仏教の精神、そしてもっといえば、宗教とは全く対極の立場

日本仏教の現状に私は懐疑的であるし、大戦下において一部の密教僧侶のルーズベルト呪詛などというソレは確かに噴飯ものだけど、インドで誕生し、中国・朝鮮半島を経て日本へ伝来した三国仏教史としての日本的展開(文化内開花)を考えるならば、その直因は…

書評:片桐庸夫『民間交流のパイオニア 渋沢栄一の国民外交』藤原書店、2013年。

片桐庸夫『民間交流のパイオニア 渋沢栄一の国民外交』藤原書店、読了。近代日本における資本主義興隆の父・渋沢栄一は、晩年を民間外交に捧げ、「対米・中・韓関係の改善に尽力」(帯)した生涯だったという。本書はその全体像を明らかにする試み。通商関係…

覚え書:「『ナショナリズムとの連動懸念』 集団的自衛権でナイ氏」、「(集団的自衛権 行方を問う)日本が進むべき道は 賛否や論点を聞く」、『朝日新聞』2014年03月16日(日)付。

- 「ナショナリズムとの連動懸念」 集団的自衛権でナイ氏 ワシントン=大島隆2014年3月16日03時12分 ジョセフ・ナイ・ハーバード大学教授 オバマ米政権に近い米国の知日派の代表格として知られる米国のジョセフ・ナイ・ハーバード大学教授(元米国防次官補)…

覚え書:「発言:海外から ネットで対話から信頼へ=朴裕河」、『毎日新聞』2014年03月12日(水)付。

- 発言 海外から ネットで対話から信頼へ 朴裕河(パクユハ) 世宗大教授 昨春、日本語のツイッターを始めた。「在日特権を許さない市民の会」(在特会)会長が「朝鮮半島有事の際は朝鮮人狩りに出る」と発言した時からだ。主に植民地支配や従軍慰安婦問題な…

日記:差別を温存する官僚主義とことなかれ主義

浦和レッズのサポーターによる「Japanese Only」の掲示問題。すったもんだの末、ようやく結末を迎えた。そもそも、指摘のあった時点で、厳格に対応すれば「済む」話な訳だったにもかかわらず、「差別と“うけとられる”恐れがあるかも」的なあいまいな対応を積…

日記:表現の自由を隠れ蓑にする和製フライコール

- 傷害:外国人排斥反対と勘違い、模造刀で切りつけ 川崎 毎日新聞 2014年03月04日 19時36分(最終更新 03月04日 20時55分) 神奈川県警公安2課などは3日、模造刀で男性を切りつけ軽傷を負わせたとして、東京都台東区の無職の男(32)を傷害容疑で逮捕し…

日記:中山成彬大先生と片山さつき大先生の「狂気」扇動

- 「アンネの日記」やその関連図書のページが大量に破られるという被害が昨年から今年にかけ、東京都内の公立図書館で相次いでいる。被害は少なくとも250冊以上になるとみられ、範囲も23区だけでなく市部にも及ぶ。 「アンネの日記」は第二次世界大戦中にオ…

日記:「全国のホテルに古事記を置こう!」プロジェクトのいかがわしさについて……

竹田研究財団が『古事記』編纂1300年を記念して「全国のホテルに古事記を置こう!」プロジェクトを立ち上げたそうですが、少しだけコメンタリーを残しておこうと思います。同webによると概要は次の通り。 - 一般財団法人竹田研究財団 『古事記』編纂1300年記…

書評:駒井洋監修、小林真生編『移民・ディアスポラ研究3 レイシズムと外国人嫌悪』明石書店、2013年。

駒井洋監修、小林真生編『移民・ディアスポラ研究3 レイシズムと外国人嫌悪』明石書店、読了。官民あげて高まる拝外主義とヘイトスピーチだが、その台頭に対する日本社会の認識も対応も著しく遅れている。本書は「レイシズムと外国人嫌悪」の実態を露わにし…

書評:安田敏朗『かれらの日本語 台湾「残留」日本語論』人文書院、2011年。

安田敏朗『かれらの日本語 台湾「残留」日本語論』人文書院、読了。植民地支配下の台湾における国語政策(日本語教育)の実態を明らかにすることで、しばしば郷愁を持って語られる“親日”国台湾の日本語受容の歪んだ歴史を本書は厳格に指摘する。「同化」「皇…

覚え書:「ひと:辛淑玉さん=ヘイトスピーチを乗り越えるネット設立」、『毎日新聞』2013年12月11日(水)付。

- ひと:辛淑玉さん=ヘイトスピーチを乗り越えるネット設立 毎日新聞 2013年12月11日 東京朝刊 ◇辛淑玉(シン・スゴ)さん(54) 「憎悪の扇動に沈黙は許されない」。この秋、「ヘイトスピーチ(憎悪表現)とレイシズム(差別主義)を乗り越える国際ネット…

書評:野村真理『隣人が敵国人になる日 第一次世界大戦と東中欧の諸民族』人文書院、2013年。

野村真理『隣人が敵国人になる日 第一次世界大戦と東中欧の諸民族』人文書院、読了。一次大戦とは、独仏の直接対決と戦後の民族自決の印象から、帝国から国民国家へ歴史に見えるが、そう単純ではない。帰属意識も疎らな多民族混淆地域の東部戦線では「隣人が…

覚え書:ヘイトスピーチ規制と表現の自由に関するひとつの考え方。

- そもそも、国際自由権規約第二〇条第二項は差別の唱道を禁止するとしている。同第一項は戦争宣伝の禁止である。戦争宣伝の禁止と差別の禁止が同じ条文に規定されていることを無視してはならない。また、人種差別撤廃条約第四条は差別の煽動や人種的優越性…

書評:有田芳生『ヘイトスピーチとたたかう! 日本版排外主義批判』岩波書店、2013年。

- 税金を納めないとか、医療や水道が無料とか、いちいち反論する必要もないでしょう。彼らの言う「特権」など、現実には存在しません。ありもしないものを「ある」と言い張る人と、ネットでその言い分を読んだ途端、なんの検証もせずに「真実を知った」と鵜…

日記:「今読んでいるんです」とはなかなか言えず「今読み返しているのですが」……

(twのまとめですが……)先週の続きで、今日も文学について少々お話をしました。『カラマーゾフの兄弟』における「人類」の議論から、社会実践としてのスピヴァクの可能性へ示唆を飛ばし、世界文学を読むケーススタディとしてゲーテを参照しました。我ながら…

覚え書:「記者の目:ヘイトスピーチ違法判決=松井豊(京都支局)」、『毎日新聞』2013年11月08日(金)付。

- 記者の目:ヘイトスピーチ違法判決=松井豊(京都支局) 毎日新聞 2013年11月08日 00時46分 ◇「差別」は在特会だけか 京都市の京都朝鮮第一初級学校の校門前で「在日特権を許さない市民の会(在特会)」が実施した街頭宣伝について、京都地裁は先月7日、人…

覚え書:「論点 [ヘイトスピーチ規制]」、『毎日新聞』2013年11月01日(金)付。

- 論点ヘイトスピーチ規制 在日コリアンを攻撃するヘイトスピーチ。朝鮮学校を標的にした市民団体の街宣活動について、京都地裁が10月7日、人種差別と認定して損害賠償を命じた。判決を機に、規制のあり方を巡る議論が活発になっている。 ことば・ヘイト…

覚え書:「記者の目:在特会ヘイトスピーチ違法判決=小泉大士」、『毎日新聞』2013年10月24日(木)付。

- 記者の目:在特会ヘイトスピーチ違法判決=小泉大士 毎日新聞 2013年10月24日 大音量の街宣活動で京都の朝鮮学校を中傷した「在日特権を許さない市民の会」(在特会)側に、京都地裁は今月7日、約1226万円の賠償と街宣活動の禁止を命じた。民族や出自…

覚え書:「みんなの広場 ヘイトスピーチへの判決 支持」、『毎日新聞』2013年10月16日(水)付。

- みんなの広場 ヘイトスピーチへの判決 支持 大学生 23(埼玉県草加市)京都の朝鮮学校近くでヘイトスピーチを繰り返した団体に対し、京都地裁が街頭宣伝などを人種差別と認定し、約1200万円の損害賠償などを命じた判決を強く支持する。ヘイトスピーチ…

日記:画一化の傾向にたいして本能的に反発し、マジョリティーと違った意見や傾向、学問でも、芸術でも、そういったものを本能的に保護しようとする伝統

- 丸山(眞男) アメリカではそういう傾向が最も極端にあるようですけれどもね、それに抵抗する要素も、さっき言ったようにあるんじゃないか。 高見(順) ありますね。その一例として、ぼくはいつも感心しているのですが、『タイム』のブック・レビュー欄。…

書評:瀧口夕美『民族衣装を着なかったアイヌ』編集グループSURE、2013年。

瀧口夕美『民族衣装を着なかったアイヌ』編集グループSURE、読了。本書は、1971年生まれのアイヌの女性が、戸惑いながらも、母親をはじめアイヌの人たちに過去を尋ねて歩く記録だ。「今はもう日本人なんでしょう?」から始まる旅は、(善意はあって…

覚え書:「ヘイトスピーチ問題:6割以上知らず…大学生ら意識調査」、『毎日新聞』2013年08月09日(金)付。

- ヘイトスピーチ問題:6割以上知らず…大学生ら意識調査 毎日新聞 2013年08月09日 東京や大阪などで在日コリアン排斥などを掲げる「ヘイトスピーチ(憎悪表現)」デモなどを巡り、大都市圏の大学生ら約1000人に意識調査をしたところ、6割以上がヘイトス…

書評:月村太郎『民族紛争』岩波新書、2013年。

- ここに、フランスの思想家、エルネスト・ルナンの有名な文章がある。 「国民とは、したがって、人々が過去においてなし、今後もなおなす用意のある犠牲の感情によって構成された大いなる連帯心なのです。それは過去を前提はします。だがそれは、一つの確か…

覚え書:「みんなの広場 多様性を認める国に」、『毎日新聞』2013年07月17日(水)付。

- みんなの広場 多様性を認める国に自営業 57(岐阜県高山市) 東京・新大久保の在日コリアン排斥でものニュースにはとてもショックを受けました。人は大なり小なり偏見と理不尽な差別的意見を持っていますが、自分のそんな部分を胸に納めていればいいことで…

覚え書:「みんなの広場 ヘイトスピーチ撲滅の法を」、『毎日新聞』2013年07月08日(月)付。

- みんなの広場 ヘイトスピーチ撲滅の法を 農業 62(京都府木津川市) 本紙の報道で、ヘイトスピーチなるものを知った。特定の民族、集団の名を挙げて「殺せ」などと憎悪をかきたてる発言をする。ここでユネスコ憲章を考えてみたい。全文に、こうある。「戦…

覚え書:「書評:亡びゆく言語を話す最後の人々 [著]K・デイヴィッド・ハリソン [評者]内澤旬子」、『朝日新聞』2013年06月09日(日)付。

- 亡びゆく言語を話す最後の人々 [著]K・デイヴィッド・ハリソン [評者]内澤旬子(文筆家・イラストレーター) [掲載]2013年06月09日 [ジャンル]ノンフィクション・評伝 ■敬意をもって耳を傾け記録 アメリカ先住民ナバホ族のディネ語の吹き替えによる「スター…

書評:上杉忍『アメリカ黒人の歴史 奴隷貿易からオバマ大統領まで』中公新書、2013年。

上杉忍『アメリカ黒人の歴史』中公新書、読了。副題「奴隷貿易からオバマ大統領まで」、四百年にわたる合衆国の繁栄を支えた裏面の差別史を的確かつ簡潔にまとめた一冊。歩みを振り返るだけでなく、今なお残された課題の指摘も忘れないすぐれた米国史。これ…

覚え書:「書評:アメリカン・コミュニティ 渡辺靖著」、『東京新聞』2013年06月09日(日)付。

- アメリカン・コミュニティ 渡辺靖 著 2013年6月9日 ◆せめぎ合う多様な共同体 [評者]越智道雄=明治大名誉教授、英語圏文化 本書の狙いは、九つの共同体を糸口にアメリカでせめぎ合う「対抗言説」の雛型(ひながた)を提示することにある。一九五〇〜六〇…