2013-04-01から1ヶ月間の記事一覧

覚え書:「書評:カール・シュミット入門講義 [著]仲正昌樹 [評者]水野和夫」、『朝日新聞』2013年04月14日(日)付。

- カール・シュミット入門講義 [著]仲正昌樹 [評者]水野和夫(日本大学教授・経済学) [掲載]2013年04月14日 [ジャンル]経済 社会 ■「決断」の真意、例外状況の今こそ もし今生きているとしたら誰に現在の状況を診断してほしいかといえば、カール・シュミット…

覚え書:「書評:色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年 [著]村上春樹 [評者]佐々木敦」、『朝日新聞』2013年04月14日(日)付。

- 色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年 [著]村上春樹 [評者]佐々木敦(批評家・早稲田大学教授) [掲載]2013年04月14日 [ジャンル]文芸■存在し続ける過去、勇気持ち向き合う 発売当日まで他の一切が伏せられていたので、このいささか奇妙な題名は、巷(…

覚え書:「メディア時評 見通しを検証する誠実さを=釈徹宗」、『毎日新聞』2013年04月13日(土)付。

- メディア時評 見通しを検証する誠実さを 釈徹宗 相愛大教授(宗教思想・人間学) 新聞で、「仮説演繹法」を活用した報道ができないものだろうか。仮説−予測−検証というプロセスを繰り返す科学研究の一手法である。まず現在の情報やデータに基づき、将来に…

覚え書:「書評:知られざる日露の二百年 アレクセイ・A・キリチェンコ著」、『東京新聞』2013年4月14日(日)付。

- 知られざる日露の二百年 アレクセイ・A・キリチェンコ 著 2013年4月14日 ◆元諜報員が提示する歴史 [評者] 佐々木 洋 札幌学院大名誉教授。共著に『スターリンと日本』など。 本書は、旧ソ連の「沈黙の壁」に風穴を開け、シベリア抑留や北方領土占領に関…

覚え書:「書評:3・11行方不明 石村博子著」、『東京新聞』2013年4月14日(日)付。

- 3・11行方不明 石村 博子 著 2013年4月14日 ◆生死の境を揺れる心 [評者] 稲葉 真弓 作家。著書『半島へ』『千年の恋人たち』など。 東日本大震災から二年、その間私たちは、多くのメディアを通して「死者・行方不明者」という言葉を何度も耳にし、目…

語る対象が最初からあるのではなくて、大勢の人がある現象に注目して、それについて語るようになる

- 一般論として、学が産に協力すること事態は頭から断罪はできない。世の中の財を産がつくっている以上、そこに学が貢献することは、巨視的には公共のためになるはずなのである。ただ、問題は貢献の仕方なのだ。私企業の短期的利益のためだけに、大学の教育…

覚え書:「書評:閉経記 伊藤比呂美著」、『東京新聞』2013年4月14日(日)付。

- 閉経記 伊藤 比呂美 著 2013年4月14日 ◆体の衰えを面白がる [評者] 井坂 洋子 詩人。著書『嵐の前』『はじめの穴 終わりの口』など。 ぶっちゃけトークはとてもむずかしい。まず度胸がいる、技術もいる。相手を敵に回さない自信がある。伊藤比呂美は宝塚…

覚え書:「書評:明日死ぬかもしれない自分、そしてあなたたち 山田詠美著」、『東京新聞』2013年04月14日(日)付。

- 【書評】明日死ぬかもしれない自分、そしてあなたたち 山田 詠美 著 2013年4月14日 ◆喪失を抱いて生きる家族 [評者] 伊藤 氏貴 文芸評論家。著書『告白の文学』『奇跡の教室』など。 夫に去られ少年と少女を抱えた女と、妻に先立たれ幼い少年を抱えた男…

書評:長谷川修一『聖書考古学 遺跡が語る史実』中公新書、2013年。

- 「聖書に書かれていることって本当に起こったことだろうか?」 「歴史的に証明されているのか?」 「考古学はそれを裏づけしているのか?」 本書ではこうした疑問に対して、最新の歴史研究の成果と考古学的調査の成果を使ってできるかぎり答えていく。途中…

覚え書:「今週の本棚:湯川豊・評 『無地のネクタイ』=丸谷才一・著」、『毎日新聞』2013年04月14日(日)付。

- 今週の本棚:湯川豊・評 『無地のネクタイ』=丸谷才一・著 毎日新聞 2013年04月14日 東京朝刊 (岩波書店・1470円) ◇名人芸をたっぷり味わう最後の軽エッセイ集 丸谷さんがいちばん最後まで連載をつづけた(「図書」)、短いエッセイをまとめた本であ…

覚え書:「今週の本棚:高樹のぶ子・評 『神隠し』=長野慶太・著」、『毎日新聞』2013年04月14日(日)付。

- 今週の本棚:高樹のぶ子・評 『神隠し』=長野慶太・著 毎日新聞 2013年04月14日 東京朝刊 (日本経済新聞出版社・1575円) ◇謎を超えて人間存在に迫る“本末転倒”の魅力 小説の最初に置かれた謎が、最後には解かれなくてはならないのがミステリーの掟(…

覚え書:「みんなの広場 『核発電』と呼び変えよう」、『毎日新聞』2013年04月13日(日)付。

- みんなの広場 「核発電」と呼び変えよう 中学校教員 59(大阪府茨木市) 物の名前は、その性質や本性が明確になるものがいい。「原子力発電」という名称も、その性質がより分かる「核発電」とすべきではないだろうか。 原発も核兵器も核物質、核分裂を利…

覚え書:「今週の本棚:加藤陽子・評 『ユーロ消滅?』=ウルリッヒ・ベック著」、『毎日新聞』2013年04月14日(日)付。

- 今週の本棚:加藤陽子・評 『ユーロ消滅?』=ウルリッヒ・ベック著 毎日新聞 2013年04月14日 東京朝刊 (岩波書店・1575円) ◇“現代のリスク”とどう向き合うか 四年前のギリシアの財政危機に端を発したユーロ危機。重い内容を書いているはずなのに、わ…

覚え書:「書評:『労働組合運動とはなにか』 熊沢誠著 評・開沼博」、『読売新聞』2013年03月31日(日)付。

- 『労働組合運動とはなにか』 熊沢誠著評・開沼 博(社会学者・福島大特任研究員) 自立を求める営み 私たち「おじさん」は、ウザイと煙たがられても、労働組合の必要性を説き続けなければなりません――。 そんな若者・女性への思いを「主題の前置き」としつ…

書評:ピョートル・クロポトキン(大窪一志訳)『相互扶助再論 支え合う生命・助け合う社会』同時代社、2012年。

- 近頃では、理想などというと嘲笑われるだけだ、とよくいわれる。そして、なぜそうなのかは、たやすくわかる。理想ということばが、純情な人たちをだますのに使われてばかりきたからだ。だから、こういった反撥が起こるのは当然だし、健全だとさえいえる。…

覚え書:「書評:謎の独立国家ソマリランド 高野秀行著」、『東京新聞』2013年4月7日(日)付。

- 謎の独立国家ソマリランド 高野 秀行 著 2013年4月7日 ◆戦争止めるシステム [評者] 桜木 奈央子 フォトグラファー。著書『かぼちゃの下で』など。 戦争を終わらせることは、とても難しい。政府や国際社会が介入してもうまくいかないことが多いのが現実だ…

覚え書:「書評:昭和の洋食 平成のカフェ飯 阿古真理著」、『東京新聞』2013年4月7日(日)付。

- 昭和の洋食 平成のカフェ飯 阿古 真理 著 2013年4月7日 ◆料理と女性の変容捉える [評者] 原田 信男 国士舘大教授。著書『江戸の料理史』『歴史の中の米と肉』。 私たちが生きていくために不可欠な食は、本来的に個人のものではありえず、所属する集団に…

「国家のために死んだ人間には枚挙の暇がないけれど、人間のために滅んだ国家はひとつもない」。

- まだ五歳未満でしたが、大人から「日本の兵隊さんは、天皇陛下万歳と言って死ぬのだよ」と、よく聞かされていました。しかし病院では、いつも瀕死の状態でうなされている負傷兵がいましたが、誰も「天皇陛下万歳」などとは言いません。なにか、口からうめ…

覚え書:「今週の本棚:想像ラジオ=いとうせいこう著 中島岳志 評」、『毎日新聞』2013年04月07日(日)付。

- 今週の本棚:想像ラジオ=いとうせいこう著 中島岳志 評 (河出書房新社・1470円)声に耳を澄ませば・・・死者は生きている あの日、津波が去った後、高い杉の木の上に一人の男が引っかかった。DJアーク。赤いヤッケ姿で、姿勢は仰向けだ。 彼は自ら…

覚え書:「書評:ステーキを下町で [著]平松洋子 [画]谷口ジロー [評者]保阪正康(ノンフィクション作家) 」、『朝日新聞』2013年04月07日(日)付。

- ステーキを下町で [著]平松洋子 [画]谷口ジロー [評者]保阪正康(ノンフィクション作家) [掲載]2013年04月07日 [ジャンル]ノンフィクション・評伝 ■思い出も重ねる「食する旅」 著者の文体にはリズムがある。北海道から沖縄までの「食する旅」のメニューに…

「伝統というものは常に歴史的につじつまのあう過去と連続性を築こうとするものである」から、その馴化の薄皮を剥がしていく「ゆるふわ」な時間について

- 起源の捏造・伝統の創造 なぜ、女ことばの起源についての言説が発生し、このように価値づけされた女房詞や敬語が持ち出されたのでしょうか。それは、女ことばを「日本が古くから保ってきた伝統」と位置づけるためです。「伝統は創り出される」という視点を…

覚え書:「書評:二・二六事件の幻影―戦後大衆文化とファシズムへの欲望 [著]福間良明」、『朝日新聞』2013年04月07日(日)付。

- 二・二六事件の幻影―戦後大衆文化とファシズムへの欲望 [著]福間良明 [掲載]2013年04月07日 [ジャンル]歴史 ノンフィクション・評伝 「昭和維新」を掲げた二・二六事件が戦後、映画や小説でどう描かれてきたか。 戦後しばらくは、言論統制の影響もあって、…

覚え書:「書評:双頭の船 [著]池澤夏樹 [評者]赤坂真理(作家)」、『朝日新聞』2013年04月07日(日)付。

- 双頭の船 [著]池澤夏樹 [評者]赤坂真理(作家) [掲載]2013年04月07日 [ジャンル]文芸 ■桁外れの喪失に 言葉与える格闘 「絆」――何か言った気になれる便利な言葉ではあるが、ひとつだけ、はっきりさせよう。 「絆」の要件とは、一人一人、ばらばらであること…

覚え書:「市民が共に統治する社会を ネグリ氏の民主主義観」、『朝日新聞』2013年04月09日(火)付。

- 市民が共に統治する社会を ネグリ氏の民主主義観 選挙制度や議会のあり方を巡る議論が盛んだ。背景には、選挙で民意を政治に反映できるという強い信頼がある。そんな中、「現代の代表制は民主主義を実現しない」と主張するのがイタリアの政治哲学者アント…

覚え書:「書評:漁業と震災 [著]濱田武士 [評者]萱野稔人」、『朝日新聞』2013年04月07日(日)付。

- 漁業と震災 [著]濱田武士 [評者]萱野稔人(津田塾大学准教授・哲学) [掲載]2013年04月07日 [ジャンル]社会 ■「上から目線」の改革論を批判 もしかしたら漁業ほど、東日本大震災後のさまざまな復興論にふりまわされた産業はないかもしれない。たしかに日本の…

[文化評論][国民国家][日本思想史[政治思想史][カルチュアルスタディーズ][書籍・雑誌]覚え書:「書評:モダン・ライフと戦争―スクリーンのなかの女性たち [著]宜野座菜央見 [評者]水無田気流」、『朝日新聞』2013年04月07日(日)付。

- モダン・ライフと戦争―スクリーンのなかの女性たち [著]宜野座菜央見 [評者]水無田気流(詩人・社会学者) [掲載]2013年04月07日 [ジャンル]歴史 アート・ファッション・芸能 ■社会の矛盾とスターの身体 「女性の美」を読み解くことは、難しい。とりわけ政治…

病院日記(2) アガンベンの「剥き出しの生」とレヴィナスの「倫理」より

twのまとめですが(汗、先日、入浴介助の「見学」をしたのですが、その印象録を少し残しておきます。介護や医療の現場の人からすれば、「おまえ、どこまでナイーブなんや」とかいわれそうですが、まさに「驚きの神経内科」つうか……なので。キーワードは、…

覚え書:「今週の本棚・新刊:『あん』=ドリアン助川・著 中島京子・評」、『毎日新聞』2013年04月07日(日)付。

- 今週の本棚・新刊:『あん』=ドリアン助川・著 中島京子・評 毎日新聞 2013年04月07日 東京朝刊(ポプラ社・1575円)生きることの意味を“特上の粒あん”に託す物語 シャッターの目立つ商店街にある「つぶれはしないが、決して賑わうことのない」どら焼…

覚え書:「今週の本棚・新刊:『世界宗教百科事典』=井上順孝ほか編集委員会編」、『毎日新聞』2013年04月07日(日)付。

- 今週の本棚・新刊:『世界宗教百科事典』=井上順孝ほか編集委員会編 毎日新聞 2013年04月07日 東京朝刊 (丸善出版・2万1000円) かつて高校社会科に「倫理・社会」という科目があったが、近年の高校生の、とくに宗教に対する関心は著しく薄らいでい…

1名から100名への道(ぇ

水曜日は前期集中ですが千葉の短大にて「倫理学」を担当しておりますが、今週から授業が始まりました。昨年は6名の履修でしたが、今年の初講は……ガイダンスになるので登録はまだ……100名近くの学生諸氏が参加しており・・・「びっくら」こいた次第です。…