2013-05-01から1ヶ月間の記事一覧

覚え書:「今週の本棚:小島ゆかり・評 『生命の逆襲』=福岡伸一・著」、『毎日新聞』2013年05月19日(日)付。

- 今週の本棚:小島ゆかり・評 『生命の逆襲』=福岡伸一・著 毎日新聞 2013年05月19日 東京朝刊 (朝日新聞出版・1470円) ◇生物の“諭しの声”に耳を傾ける 週刊誌『AERA』に連載中の生物学コラム「ドリトル先生の憂鬱」を新編集した一冊。つまり『遺…

覚え書:「みんなの広場 橋下氏の慰安婦発言がっかり」、「みんなの広場 女性の尊厳踏みにじる発言」、「みんなの広場 9条 今こそ愚直に守るとき」、『毎日新聞』2013年05月19日(日)付。

- みんなの広場 橋下氏の慰安婦発言がっかり 主婦 63(東京都板橋区) 「縦断が飛び交う中で命をかけて走っていく時、精神的に高ぶっている集団に休息をさせてあげようと思ったら、慰安婦制度が必要なのは誰でもわかる」。これは、日本維新の会の共同代表…

覚え書:「今週の本棚・新刊:『兵士たちがみた日露戦争』=横山篤夫、西川寿勝・編著」、『毎日新聞』2013年05月19日(日)付。

- 今週の本棚・新刊:『兵士たちがみた日露戦争』=横山篤夫、西川寿勝・編著 毎日新聞 2013年05月19日 東京朝刊 (雄山閣・2730円) 副題「従軍日記の新資料が語る坂の上の雲」に本書の狙いが現れている。大日本帝国が帝政ロシアを破った日露戦争では、…

覚え書:「今週の本棚・新刊:『沈黙の力』=劉霞・著」、『毎日新聞』2013年05月19日(日)付。

- 今週の本棚・新刊:『沈黙の力』=劉霞・著 毎日新聞 2013年05月19日 東京朝刊 (FOIL・1365円) 中国の芸術家による写真集。自身が「醜い子供たち」と呼ぶ人形を北京郊外にさまよわせ、そのさまを撮り続けた。多くの写真で、人形は縛られたり、握…

書評:鎌田道隆『お伊勢参り 江戸庶民の旅と信心』中公新書、2013年。

- 何よりも歩くうえで困るのは、旅人のために設けられていた茶店や立場(たてば)という休憩所がなくなったことである。江戸時代の街道では、歩き疲れたり、一息入れたりする茶店や立場が、渡河点や峠の上など随所に設けられていて、旅人たちは実際に活用し…

覚え書:「書評:歌は季につれ [著]三田完 [評者]三浦しをん(作家)」、『朝日新聞』2013年05月12日(日)付。

- 歌は季につれ [著]三田完 [評者]三浦しをん(作家) [掲載]2013年05月12日 [ジャンル]文芸 ■口ずさめば心にほのかな明かり 著者の三田完氏は、作家であり俳人でもある。もともとはテレビの音楽番組を作っていたらしい。阿修羅像なみに多様な顔を持つ男……! …

覚え書:「書評:ユーロ消滅?―ドイツ化するヨーロッパへの警告 [著]ウルリッヒ・ベック [訳]島村賢一 [評者]水野和夫」、『朝日新聞』2013年05月12日(日)付。

- ユーロ消滅?―ドイツ化するヨーロッパへの警告 [著]ウルリッヒ・ベック [訳]島村賢一 [評者]水野和夫(日本大学教授・経済学) [掲載]2013年05月12日 [ジャンル]経済 国際 ■危機への岐路に立つメルケル ユーロ危機を国家債務危機ととらえた経済学者は「資本…

覚え書:「くらしの明日 私の社会保障論 『議論の府』の自己否定=湯浅誠」、『毎日新聞』2013年05月15日(水)付。

- くらしの明日 私の社会保障論 「議論の府」の自己否定 憲法96条改正問題 湯浅誠 反貧困ネットワーク事務局長 サウナの後、水風呂につかると気持ちいい。頭までつかりたくなるが「水の中にもぐらないでください」の張り紙を見て、ぐっと我慢する。 そんな時…

覚え書:「書評:江戸絵画の非常識―近世絵画の定説をくつがえす [著]安村敏信 [評者]横尾忠則」、『朝日新聞』2013年05月12日(日)付。

- 江戸絵画の非常識―近世絵画の定説をくつがえす [著]安村敏信 [評者]横尾忠則(美術家) [掲載]2013年05月12日 [ジャンル]アート・ファッション・芸能 ■「風神雷神」本当に宗達晩年の作? 一例をあげる。「風神雷神図屏風(びょうぶ)」(建仁寺)の作者とい…

覚え書:「書評:日本における新聞連載子ども漫画の戦前史 [著]徐園 [評者]保阪正康」、『朝日新聞』2013年05月12日(日)付。

- 日本における新聞連載子ども漫画の戦前史 [著]徐園 [評者]保阪正康(ノンフィクション作家) [掲載]2013年05月12日 [ジャンル]歴史 アート・ファッション・芸能 ■ヒトコマから読む社会の動態 著者(中国人研究者)は本書の狙いをこの表題を歴史に「刻む」こ…

書評:飯倉章『黄禍論と日本人 欧米は何を嘲笑し、恐れたのか』中公新書、2013年。

- 他に西洋列強諸国が勝利の要因として注目したのは、日本の愛国主義である。そのお様子を如実に示しているのが『パンチ』に載った「愛国心のレッスン」〔図6−19〕だ。日本の軍事的成功に、ジョンブルが「あなたの軍制度はみごとに機能しているように思われ…

覚え書:「書評:「幸せ」の戦後史 [著]菊地史彦 [評者]田中優子」、『朝日新聞』2013年05月12日(日)付。

- 「幸せ」の戦後史 [著]菊地史彦 [評者]田中優子(法政大学教授・近世比較文化) [掲載]2013年05月12日 [ジャンル]社会 ■喪失感の中から生きた時代問う 生まれて60年余り、日本は豊かになって来たはずなのだが、私は常に「失い続けている」という思いが消え…

覚え書:「書評:鉞子―世界を魅了した「武士の娘」の生涯 [著]内田義雄 [評者]出久根達郎」、『朝日新聞』2013年05月12日(日)付。

- 鉞子―世界を魅了した「武士の娘」の生涯 [著]内田義雄 [評者]出久根達郎(作家) [掲載]2013年05月12日 [ジャンル]ノンフィクション・評伝 ■隠れた名著の素性、明らかに 司馬遼太郎の長篇(ちょうへん)『峠』は、主人公の河井継之助が上京を願って、長岡藩…

覚え書:「特集ワイド:いかがなものか 橋下氏『慰安婦必要だった』に直言」、『毎日新聞』2013年05月16日(木)付、夕刊。

- 特集ワイド:いかがなものか 橋下氏「慰安婦必要だった」に直言 毎日新聞 2013年05月16日 東京夕刊 日本維新の会の橋下徹共同代表(大阪市長)が従軍慰安婦制度を「必要だった」と述べ、さらに在日米軍に風俗業の活用を提案したことに対し、疑問や憤りの声…

覚え書:「書評:ジェンダーと「自由」―理論、リベラリズム、クィア [編著]三浦玲一、早坂静、[評者]水無田気流」、『朝日新聞』2013年05月12日(日)付。

- ジェンダーと「自由」―理論、リベラリズム、クィア [編著]三浦玲一、早坂静 [評者]水無田気流(詩人・社会学者) [掲載]2013年05月12日 [ジャンル]社会 ■かくも複雑な性と自由の現在 このところフェミニズムは不人気である。それは皮肉にも、男女平等意識が…

覚え書:「書評:漁業と震災 濱田武士著」、『東京新聞』2013年05月12日(日)付。

- 【書評】漁業と震災 濱田武士 著 2013年5月12日 [評者]川島秀一=東北大教授・海洋民俗学 ◆抉り出された危機、問題点 本書の書名が『漁業と震災』であり、『震災と漁業』ではないことの意味は大きい。後者ならば、単なる震災時とその後における漁業の問…

書評:平田オリザ『わかりあえないことから コミュニケーション能力とは何か』講談社現代新書、2012年。

- 平田オリザ『わかりあえないことから コミュニケーション能力とは何か』講談社現代新書、読了。演劇人の著者よる新しいコミュニケーション論、教育の現場に関わるなかで、ハウツー教育と社会の要求のダブルバインドを踏まえた上で、何が「表現」(コミュニ…

たまこの帰還

水曜の朝、珠子が入院して避妊手術を受けました。午後に病院から電話があって無事終了したとの由。木曜日に迎えに行きました。1日だけですが、帰宅して彼女がいないと寂しいものです(涙病院に預けたその日、珠子を病院を連れてって検査して預けて帰ろう細…

覚え書:「書評:タックス・ヘイブン 志賀櫻著」、『東京新聞』2013年5月12日(日)付。

- 【書評】タックス・ヘイブン 志賀櫻 著 2013年5月12日 [評者]武田徹=ジャーナリスト ◆血税が流出する構図暴く 本書の冒頭に日本の納税者の所得税負担率を示す図がある。所得額が増えれば税負担率も増える。累進課税制なので当然だ。ところが所得一億円…

覚え書:「今週の本棚:中村達也・評 『デフレーション』=吉川洋・著」、『毎日新聞』2013年05月12日(日)付。

- 今週の本棚:中村達也・評 『デフレーション』=吉川洋・著 毎日新聞 2013年05月12日 東京朝刊 (日本経済新聞出版社・1890円) ◇冷静な“アベノミクス”批判の矢 連日のように、アベノミクスが新聞紙上をにぎわしている。首相や大統領の名を冠した政策と…

“日本は世界でも有数の豊かな国”ということにかんして

- 日本は世界でも有数の豊かな国です。世界一の平均寿命を誇り、一人当たりの国民総所得(Gross National Income)は、三万三四七〇ドル(約二六八万円)。世界一九位の数字ですが、世界平均の一万五九七ドル(約八五万円)の三倍以上の値です(WHO,二〇…

覚え書:「今週の本棚・新刊:『福島原発と被曝労働』=石丸小四郎、建部暹、寺西清、村田三郎・著」、『毎日新聞』2013年05月12日(日)付。

- 今週の本棚・新刊:『福島原発と被曝労働』=石丸小四郎、建部暹、寺西清、村田三郎・著 毎日新聞 2013年05月12日 東京朝刊 (明石書店・2415円) 著者は、福島第1原発事故の20−40年前から、福島原発の被曝(ひばく)労働者の調査や支援にかかわっ…

覚え書:「今週の本棚:堀江敏幸・評 『S先生のこと』=尾崎俊介・著」、『毎日新聞』2013年05月12日(日)付。

- 今週の本棚:堀江敏幸・評 『S先生のこと』=尾崎俊介・著 毎日新聞 2013年05月12日 東京朝刊 (新宿書房・2520円) ◇悲しみと悔悟を映す“翻訳者の声”を慕って 学生の頃、脈絡なく読んで引き込まれた数冊のアメリカ現代文学の翻訳書を通して、私はその…

覚え書:「今週の本棚:松原隆一郎・評 『人口減少社会という希望』=広井良典・著」、『毎日新聞』2013年05月12日(日)付。

- 今週の本棚:松原隆一郎・評 『人口減少社会という希望』=広井良典・著 毎日新聞 2013年05月12日 東京朝刊 (朝日選書・1470円) ◇成長という国家目標を根底から見直す 意表をついた書名。しかし「人口減少」から人々が反射的に連想する「絶望感」を、…

覚え書:「書評:フランシス子へ [著]吉本隆明 [評者]水無田気流」、『朝日新聞』2013年05月05日(日)付。

- フランシス子へ [著]吉本隆明 [評者]水無田気流(詩人・社会学者) [掲載]2013年05月05日 [ジャンル]文芸 ■老詩人の歌うような猫語り 個人的なことで誠に恐縮だが、私は吉本隆明さんの講義ビデオ収録のため、お宅に通っていたことがある。愛猫「フランシス子…

覚え書:「書評:もうひとつの街 [著]ミハル・アイヴァス [評者]小野正嗣」、『朝日新聞』2013年05月05日(日)付。

- もうひとつの街 [著]ミハル・アイヴァス [評者]小野正嗣(作家・明治学院大学准教授 [掲載]2013年05月05日 [ジャンル]文芸 ■無意識の王国へさまよいだす しばらく前からひとつの噂(うわさ)が囁(ささや)かれているようだ。 1冊の不思議な本がいま書店の…

書評:原田敬一『兵士はどこへ行った 軍用墓地と国民国家』有志舎、2013年。

原田敬一『兵士はどこへ行った 軍用墓地と国民国家』有志舎、読了。国民を創造する国家は「死」を記念・管理せざるを得ない。本書は緻密な実証と丹念なフィールドワーク、そして国際比較のを通して、戦死者の追悼・慰霊・顕彰・記念を検証、著者の広範な取材…

覚え書:「書評:原発と裁判官―なぜ司法は「メルトダウン」を許したのか [著]磯村健太郎・山口栄二」、『朝日新聞』2013年05月05日(日)付。

- 原発と裁判官―なぜ司法は「メルトダウン」を許したのか [著]磯村健太郎・山口栄二 [掲載]2013年05月05日 原発の建設や稼働をやめるよう住民が求める裁判は、1970年代以降数多く起こされたが、住民側が勝訴したのは現在のところ地裁・高裁での2件のみ…

覚え書:「書評:漂うモダニズム [著]槇文彦 [評者]隈研吾」、『朝日新聞』2013年05月05日(日)付。

- 漂うモダニズム [著]槇文彦 [評者]隈研吾(建築家・東京大学教授) [掲載]2013年05月05日 ■エース建築家の逆説的希望 20世紀初頭、モダニズムというデザインの潮流が、世界を覆いつくした。コンクリートと鉄とガラスによる、合理的でグローバルな建築デザ…

書評:E・ブリニョルフソン、A・マカフィー(村井章子訳)『機械との競争』日経BP社、2013年。

- これらの例が示すように、パターン認識も複雑なコミュニケーションもいまや自動化が可能だとなれば、人間の能力でコンピュータに脅かされないものは、何かあるのだろうか。チェス盤の残り半分に進んでいっても、人間がしかるべき比較優位を維持できるもの…