デモクラシー

書評:ジョン・デューイ(阿部齊訳)『公衆とその諸問題 現代政治の基礎』ちくま学芸文庫、2014年。

ジョン・デューイ(阿部齊訳)『公衆とその諸問題 現代政治の基礎』ちくま学芸文庫、読了。飛躍的に複雑化した機械化と画一化を特徴とする現代社会において、人間の息吹汲み取る民主主義は果たして可能なのか。本書はリップマンが『世論』『幻の公衆』で提起…

覚え書:「特集ワイド:解散に寄せて 作家・高村薫さん 投票は有権者の『意地』」、『毎日新聞』2014年11月21日(金)付夕刊。

- 特集ワイド:解散に寄せて 作家・高村薫さん 投票は有権者の「意地」 毎日新聞 2014年11月21日 東京夕刊高村薫さん=大阪府吹田市で、宮武祐希撮影集団的自衛権の行使容認に反対し首相官邸前でデモをする人々。安倍政権の2年で「国のかたち」は大きく変わ…

覚え書:「くらしの明日 私の社会保障論 男性の働き方見直しが先=山田昌弘」、『毎日新聞』2014年11月19日(水)付。

- くらしの明日 私の社会保障論 男性の働き方見直しが先 女性の活躍推進 山田昌弘 中央大教授 女性の活躍推進が成長戦略の一つの柱になっている。日本は諸外国に比べ、政治や経済分野での進出が大変遅れている。女性の国会議員比率や管理職比率は、世界最低…

覚え書:「インタビュー:ベルリンの壁崩壊25年 作家、ビクター・セベスチェンさん」、『朝日新聞』2014年11月11日(火)付。

- ベルリンの壁崩壊25年 作家、ビクター・セベスチェンさん 2014年11月11日 (写真キャプション)「日本とハンガリーの戦後の歩みを分けたのは、占領したのが米国かスターリンかの違いだった」=ロンドン、末盛亮氏撮影 東西冷戦の象徴「ベルリンの壁」が…

書評:石光勝『生誕101年 「カミュ」に学ぶ本当の正義』新潮社、2014年。

石光勝『生誕101年 「カミュ」に学ぶ本当の正義』新潮社、読了。カミュの探求を「正義」と捉え、その生涯と思索を、15本の「映画」で辿る異色のカミュ伝。仕掛けの多い構成ながら抜群に「読ませる」一冊だ。著者は若き日、カミュに傾倒したテレビマン。…

拙文:「読書:人は時代といかに向き合うか 三谷太一郎著(東京大学出版会)」、『聖教新聞』2014年10月25日(土)付。

- 読書 人は時代といかに向き合うか 三谷太一郎 著永遠なるものを射程に収める 政治史の大家が「時代と向き合い歴史を学ぼうとするすべての人々」に贈る歴史との対話−−近代日本の軌跡をたどる本論集は、さながら考えるヒントの玉手箱だ。 近代日本の歩みとは…

覚え書:「くらしの明日 私の社会保障論 異議唱えぬ日本の若者=山田昌弘」、『毎日新聞]2014年10月22日(水)付。

- くらしの明日 私の社会保障論 異議唱えぬ日本の若者 香港の民主化運動、対照的な熱気 山田正宏 中央大教授 現在、大学から在外研究の機会を与えられ、香港に滞在中である。日本でも報道されているように、当地では普通選挙を求める民主化運動が活発化し、…

覚え書:修復的正義論の観点

- わたしは、民主主義を、じっさいには平等でも自由でもない諸個人が、それでも平等に扱われることを求めたさいに、一つひとつ制度を精査し、批判的に現状を捉え、改革していく政治システムだと考えている。その意味において、軍事的性奴隷制という人道に対…

覚え書:「文化の扉:はじめての丸山眞男 歴史に見る「いま」、未来を切りひらく」、『朝日新聞』2014年10月20日(月)付。

- (文化の扉)はじめての丸山眞男 歴史に見る「いま」、未来を切りひらく 2014年10月20日 「戦後日本を代表する知識人」といわれる丸山眞男。厳格な学者というイメージだが、実際は、おしゃべりでユーモアに満ちていた。生誕百年の今年、様々な先入観を抜き…

日記:「問題」は「見えない所」へ封じ込めて、例えば、「差別は存在しません」というアナウンスが日本社会の構造。

- 橋下氏、在特会と面談 ヘイトスピーチ巡り応酬 2014年10月21日 (写真キャプション)激しく言い合う在特会の桜井誠会長(右)と橋下徹大阪市長 ヘイトスピーチ(差別的憎悪表現)の対策を検討している大阪市の橋下徹市長は20日、「在日特権を許さない市…

日記:ナチスを反省し戦後責任を履行してきた戦後ドイツ政府に対してその「反省する」態度を「自虐史観」といって揶揄する高市早苗・総務相。そりゃ、さすがにナチスと親和するがな(ぐぬぬ

- 2 着実に成果を出してきた修正主義者 有田 在日差別は残念ながら日本社会にずっと続いてきました。八〇年代以降日本に居住する外国人が増え、社会の構造変化に伴って、多様性や多文化共生という方向へ進化していくはずだった。ところがそういう方向には向…

日記:ポストコロニアル批評の嚆矢サイードが普遍的価値にこだわること

- 真実を語るという目標は、わたしたちの社会のように管理された大衆社会では、おもに、よりよい状況を構築すること、そして既知の事実に適用されておかしくない一連の道徳的原則−−平和、和解、苦悩の軽減−−といえるようなものを構想することである。 −−エド…

覚え書:「内外メディア、反応に温度差 閣僚が在特会元幹部と写真」『朝日新聞』2014年10月08日(水)付。

- 内外メディア、反応に温度差 閣僚が在特会元幹部と写真 2014年10月8日日本外国特派員協会で開かれた山谷氏の会見 (C)FCCJ 安倍内閣の新閣僚や自民党幹部が「在日特権を許さない市民の会」(在特会)などの関係者と写真に写っていたことが相次いで発…

覚え書:「インタビュー 素顔の安倍政権 政治学者・豊永郁子さん」、『朝日新聞』2014年10月08日(水)付。

- インタビュー 素顔の安倍政権 政治学者・豊永郁子さん 2014年10月8日 「この道しかない」「やればできる」「皆さん、共に進もうではありませんか」。いずれも安倍晋三首相の決め言葉だが、三つ並ぶと不穏な感じもする。安倍政権が私たちに歩ませようとする…

覚え書:「耕論:ヘイトスピーチへの処方箋 樋口直人さん、師岡康子さん、阪口正二郎さん」、『朝日新聞』2014年10月02日(木)付。

- 耕論 ヘイトスピーチへの処方箋 樋口直人さん、師岡康子さん、阪口正二郎さん 2014年10月2日 全国に広がるヘイトスピーチ(憎悪表現)。今夏、国連の二つの機関が相次いで日本政府に対処を求めた。だが、法規制には慎重論もある。どんな処方箋(せん)が必…

拙文:「読書 宗教とグローバル市民社会 ロバート・N・ベラー、島薗進、奥村隆編・岩波書店」、『聖教新聞』2014年09月27日(土)付。

- 読書 宗教とグローバル市民社会 ロバート・N・ベラー、島薗進、奥村隆編偏狭な国家主義への憂慮 一昨年秋、宗教社会学の巨人ロバート・ベラーは85歳の恒例にもかかわらず来日し、立教大学などで精力的に講演した。本書は、その講演・シンポジウムの内容…

覚え書:「ロシア文化人、勇気の異論 ウクライナ紛争の陰で=沼野充義」『朝日新聞』2014年09月23日(火)付。

- ロシア文化人、勇気の異論 ウクライナ紛争の陰で 寄稿・沼野充義(写真キャプション)推理作家のアクーニンさん(左)と妻エリカさん 最近の緊迫したウクライナ情勢については、日本でもかなり報道されてきた。しかし、それと並行してロシア国内で進行して…

覚え書:「声:時の権力への批判を緩めるな」『朝日新聞』2014年09月14日(日)付。

- 声 時の権力への批判を緩めるな 大学名誉教授 山田明(愛知県 65) やはり遅きに失した「記事取り消し謝罪」である。長年にわたる読者として残念でならないが、朝日新聞の「9・11」として、徹底した問題点の点検と検証を求めたい。とりわけ幹部社員が…

覚え書:「特定秘密保護法に言いたい:原発情報隠し懸念−−サイエンスライター・田中三彦さん」、『毎日新聞』2014年09月15日(月)付。

- 特定秘密保護法に言いたい:原発情報隠し懸念−−サイエンスライター・田中三彦さん 毎日新聞 2014年09月15日 東京朝刊 ◇田中三彦さん(71) 1990年代、東北電力女川原発の建設差し止めなど原発関係の住民訴訟に原告側証人として関わった。電力会社に資…

覚え書:「みんなの広場 国民馴致策でないといえるか」、『毎日新聞』2014年09月15日(月)付。

- みんなの広場 国民馴致策でないといえるか 無職 46(福島県小野町) 地元議会を傍聴して驚いた。「女性消防隊」「少年消防隊」なるものの計画があるという。自発意思の体裁を取るが、行政区ごとに人数割りがあり、実質的強制だ。 この田舎町が単独で発案可…

日記:集団的自衛権が公使されるということは、このオーストラリアのように、戦争に巻き込まれる「可能性」を意味する

- 豪、国軍600人を派遣へ 「イスラム国」攻撃準備 スバ(フィジー首都)=郷富佐子 オーストラリアのアボット首相は14日、イラクやシリアで勢力を広げる過激派組織「イスラム国」への攻撃を準備するため、豪国軍から計600人の人員や戦闘機などをアラ…

覚え書:「くらしの明日 私の社会保障論 ようやく半歩踏み出した 子供の貧困対策大綱=湯浅誠」、『毎日新聞』2014年09月10日(水)付。

- くらしの明日 私の社会保障論 ようやく半歩踏み出した 子供の貧困対策大綱 湯浅誠 社会活動家 「すべての子供たちが夢と希望を持って成長していける社会の実現」−−いい言葉だ。 子供たちは日本の将来を担う一番の宝だから、子供の貧困対策は、貧困の連鎖を…

日記:高市も稲田もへたれやの。従軍慰安婦は存在しなかったとアジア諸国には居丈高に振る舞い、欧米に対しては平身低頭。ナチス好きなんなら好きやといえばよろしかろう。

- 米ユダヤ系団体:高市氏ら写真、対応に不満表明 毎日新聞 2014年09月11日 東京朝刊 【ワシントン和田浩明】高市早苗総務相ら自民党の国会議員3人がナチス・ドイツへの共鳴をうたう極右団体の男性代表と撮影した写真が、団体のホームページに掲載されていた…

日記:ベストを求めるあまり、微温的なことを言う者を排除していけば、結局最悪の政治指導者を招き寄せるという結果につながる

- 政策転換の経験と今後の財産 市民に求められるのは、程度の違いを見極める能力と、政策変化についてある程度の満足を感じる「ゆるさ」である。地上で理想を実現することが不可能であることは、すでに繰り返し述べてきたとおりである。理想を追求するあまり…

[覚え書]覚え書:「特集ワイド:組閣のウラを読む 「踊り場」「コスプレ」「応急処置」」、『毎日新聞』2014年09月04日(水)付、夕刊。

- 特集ワイド:組閣のウラを読む 「踊り場」「コスプレ」「応急処置」 毎日新聞 2014年09月04日 東京夕刊(写真キャプション)改造内閣の初閣議を終え、記念撮影に臨む安倍晋三首相と閣僚ら。女性が増え華やかな印象だが……=首相官邸で3日午後7時51分、藤…

覚え書:「くらしの明日 私の社会保障論 集団的自衛権に反対 命守るプロ 医師は立場を明確に」、『毎日新聞』2014年09月03日(水)付。

- くらしの明日 私の社会保障論集団的自衛権に反対 命守るプロ 医師は立場を明確に 本田宏 埼玉県済生会栗橋病院院長補佐 医師免許を取得して35年、外科医として数多くの患者の命と向き合ってきた。1989年から先進国で最も医師不足の日本で、人口当た…

覚え書:「発言:解釈改憲許さぬ『国民意思』を=山中光茂・三重県松阪市長」、『毎日新聞』2014年08月14日(木)付。

- 発言 解釈改憲許さぬ「国民意思」を 山中光茂 三重県松阪市長 安倍内閣は7月1日、集団的自衛権行使を可能とする憲法解釈の変更を閣議決定した。日本国憲法が「国際紛争を解決する手段」としての戦争と武力の行使を放棄したことに対する明白な違反である…

覚え書:「平和のとなりで:/1(その1) 1960年代、日本人が米軍に雇われ ベトナム戦地へ1000人超」、『毎日新聞』2014年08月04日(月)付。

- 平和のとなりで:/1(その1) 1960年代、日本人が米軍に雇われ ベトナム戦地へ1000人超 毎日新聞 2014年08月04日 東京朝刊 (写真キャプション)狩俣光永さんら日本人24人が乗り組んだ米軍タグボート=狩俣さん提供 平和のとなりで:/1(その…

覚え書:「特定秘密保護法に言いたい:国際標準に近づけよ−−国際人権法研究者・藤田早苗さん」、『毎日新聞』2014年07月28日(月)付。

- 特定秘密保護法に言いたい:国際標準に近づけよ−−国際人権法研究者・藤田早苗さん 毎日新聞 2014年07月28日 東京朝刊 英国在住で、特定秘密保護法を知ったのは閣議決定前の昨年夏ごろだった。友人がフェイスブックに書き込んだ。秋になって法案を読んだが、…

覚え書:「特集ワイド:集団的自衛権 五野井郁夫・高千穂大准教授と見た首相の国会答弁」、『毎日新聞』2014年07月16日(水)付、夕刊。

- 特集ワイド:集団的自衛権 五野井郁夫・高千穂大准教授と見た首相の国会答弁 毎日新聞 2014年07月16日 東京夕刊(写真キャプション)衆院予算委員会の開会を待つ五野井郁夫・高千穂大准教授。「国家の大きな方針転換をするのですから、安倍首相はその場しの…