「人間とは何か」

日記:英語のネイティブスピーカーはなぜ白人だけに限定されなければならないのか。

よく思うのだけど、どこまで白人に対する愛憎まみれた卑屈さを持ち、その鬱憤を返す刀の如き形で、アジア蔑視へと注ぎ込む。人間は相互に平等ではなかったのか(今更だけど。卑屈と蔑視であたかも中庸に位置する如き錯覚として自己を序列化する発想は卒業し…

覚え書:「発言:『私だけの古典』を見いだそう=紅野謙介・日本大学教授」、『毎日新聞』2014年10月30日(木)付。

- 発言:「私だけの古典」を見いだそう=紅野謙介・日本大学教授 毎日新聞 2014年10月30日 東京朝刊 二度三度とふれるたびに発見がある。それが私にとっての古典だと思う。世評に高い、いわゆる「古典」が必ずしもすべてのひとの古典になるわけではない。だか…

書評:樋口直人『日本型排外主義 在特会・外国人参政権・東アジア地政学』名古屋大学出版会、2014年。

樋口直人『日本型排外主義 在特会・外国人参政権・東アジア地政学』名古屋大学出版会、読了。果たしてフラストレーションやルサンチマンといった社会不安だけが日本の排外主義の動機となっているのか。本書は先行研究を踏まえ、著者自身の聞き取り調査も加え…

覚え書:「インタビュー カジノで考える民主主義 思想家・武道家、内田樹さん」、『朝日新聞』2014年10月21日(火)付。

- インタビュー カジノで考える民主主義 思想家・武道家、内田樹さん 2014年10月21日(写真キャプション)「中国の富裕層をカジノに呼びたいなら、中国人がハッピーになれる国でなきゃ。嫌中本を発禁にするとかね」=山本和生、遠藤真梨撮影 カジノを含む統…

覚え書:「文化の扉:はじめての丸山眞男 歴史に見る「いま」、未来を切りひらく」、『朝日新聞』2014年10月20日(月)付。

- (文化の扉)はじめての丸山眞男 歴史に見る「いま」、未来を切りひらく 2014年10月20日 「戦後日本を代表する知識人」といわれる丸山眞男。厳格な学者というイメージだが、実際は、おしゃべりでユーモアに満ちていた。生誕百年の今年、様々な先入観を抜き…

日記:「問題」は「見えない所」へ封じ込めて、例えば、「差別は存在しません」というアナウンスが日本社会の構造。

- 橋下氏、在特会と面談 ヘイトスピーチ巡り応酬 2014年10月21日 (写真キャプション)激しく言い合う在特会の桜井誠会長(右)と橋下徹大阪市長 ヘイトスピーチ(差別的憎悪表現)の対策を検討している大阪市の橋下徹市長は20日、「在日特権を許さない市…

覚え書:「耕論:スルーする力って? 『もっと自由になる』方策」、『朝日新聞』2014年10月07日(火)付。

- スルーする力って? 「もっと自由になる」方策 聞き手・尾沢智史 聞き手・藤生京子 聞き手・萩一晶 2014年10月7日 マキタスポーツ 70年生まれ。音楽だけでなく、映画・ドラマやお笑いなど多方面で活躍。著書に「一億総ツッコミ時代」(槙田雄司名義)、…

覚え書:「くらしの明日 私の社会保障論 年功序列が崩れない理由」、『毎日新聞』2014年09月24日(木)付。

- くらしの明日 私の社会保障論 年功序列が崩れない理由 日本語の敬称と関係 山田昌弘 中央大教授 日本の職場では、新卒一括採用や年功序列慣行がなかなか崩れない。その結果、学生は新卒でできるだけ条件のよい企業に就職しようと、就職活動に時間を取られ…

拙文:「読書 宗教とグローバル市民社会 ロバート・N・ベラー、島薗進、奥村隆編・岩波書店」、『聖教新聞』2014年09月27日(土)付。

- 読書 宗教とグローバル市民社会 ロバート・N・ベラー、島薗進、奥村隆編偏狭な国家主義への憂慮 一昨年秋、宗教社会学の巨人ロバート・ベラーは85歳の恒例にもかかわらず来日し、立教大学などで精力的に講演した。本書は、その講演・シンポジウムの内容…

覚え書:「発信箱:米倉斉加年さん=落合博(論説委員)」、『毎日新聞』2014年09月18日(木)付。

- 発信箱:米倉斉加年さん=落合博(論説委員) 毎日新聞 2014年09月18日 「グラバーの息子」は英国人の父と日本人の母を持ち、長崎で生まれ育った倉場富三郎(英名トーマス・アルバート・グラバー)の生涯を描いた演劇作品で、米倉斉加年(よねくら・まさか…

病院日記:「見守り」ということ

4月に神経内科から精神科へ移動して、多くなったのが「見守り」という仕事です。要は患者さんが、誤って転倒したりしないように、食事中なんかも見守る訳です。パターナリズムの「悪性」は承知しておりますが、それでもそれを「巨悪」を見つけたが如くに全…

覚え書:「物語、『他者に成る』力与えてくれる アンデルセン賞・上橋さん、式典で語る」、『朝日新聞』2014年09月12日(金)付。

- 物語、「他者に成る」力与えてくれる アンデルセン賞・上橋さん、式典で語る (写真キャプション)授賞式であいさつする作家の上橋菜穂子さん=メキシコ市 「児童文学のノーベル賞」と言われる国際アンデルセン賞の授賞式が10日、メキシコ市であり、同賞…

日記:「ばかで何がわるい」よろしく、にたにたしながら臆面もなく権力の走狗と化す日本社会

1990年代バブルの拝金主義に対する反省や批判から出てきたのがいまのナチュラル志向でしょう。デコレーションから素朴へという流れのカウンターとして意義は否定すべくもない。確かにピカピカには目がくらむ。しかしながら、過剰に対する素朴というのは…

[覚え書]覚え書:「特集ワイド:組閣のウラを読む 「踊り場」「コスプレ」「応急処置」」、『毎日新聞』2014年09月04日(水)付、夕刊。

- 特集ワイド:組閣のウラを読む 「踊り場」「コスプレ」「応急処置」 毎日新聞 2014年09月04日 東京夕刊(写真キャプション)改造内閣の初閣議を終え、記念撮影に臨む安倍晋三首相と閣僚ら。女性が増え華やかな印象だが……=首相官邸で3日午後7時51分、藤…

日記:松島みどり(新法務相)「私、府中刑務所を見たときに思った感想としましては、例えば、イラン人は宗教上の理由で豚肉なしのメニューをわざわざつくるですとか、あるいはパン食したかったら希望をとるとか、逆差別でずるいんじゃないかと」

松島みどり(新法務相)「私、府中刑務所を見たときに思った感想としましては、例えば、イラン人は宗教上の理由で豚肉なしのメニューをわざわざつくるですとか、あるいはパン食したかったら希望をとるとか、逆差別でずるいんじゃないかと」 http://t.co/dSdP…

覚え書:「みんなの広場 『おもてなし』が疑われる」、『毎日新聞』2014年09月03日(水)付。

- みんなの広場 「おもてなし」が疑われる 会社員 46(東京都品川区) 不動産関係の仕事をしていますが、取引先の不動産会社を訪ねた際、耳を疑うことがありました。そこはいわゆる町の不動産屋さんで、社長と雑談していると、女性の2人連れが来店しまし…

日記:信念を曲げないと柔軟さの相関関係へ成長すること

どういう訳だか分からないのだけど、うちのお子さま(小5)が、割と生命尊厳の原理主義者。もちろん、肉も魚も「食べる」ので、その意義は十全に理解しているとは言い難いのだけど、目の前で、生命が「殺される」ことには断固として立ち向かう。これは在る…

日記:追悼、木田元先生。

- 哲学者の木田元さん死去 ハイデガー研究の第一人者 2014年8月17日16時26分 『朝日新聞』電子版。 http://www.asahi.com/articles/ASG8K4S5TG8KUCLV002.html 木田元さん 20世紀ドイツの哲学者ハイデガーの研究で知られる哲学者で中央大名誉教授の木田元(…

日記:意識の高い、有意味な言説というドクサ

たまこさんのお世話ちう。土曜日に細君が子供を連れて実家に帰ってしまったので(とほほ、猫のたまこさんと二人ぐらしです。とはいってもほとんど家にいないので少しの時間ですし、今日はぐったりと寝ていたので、少々余裕をもって接していますがものすげえ…

拙文:「読書 社会はなぜ左と右にわかれるのか ジョナサン・ハイト著」、『聖教新聞』2014年07月26日(土)付。

- 読書 社会はなぜ左と右にわかれるのか ジョナサン・ハイト著 高橋洋訳まず直観に基づく道徳的判断 道徳的判断を下す際、それは直観ではなく理性によって導かれると、普段、私たちは考えるが、実際には逆らしい。 本書は膨大な心理実験から「まず直観、それ…

覚え書:「(インタビュー)民俗学からみる介護 介護施設で「聞き書き」する職員・六車由実さん」、『朝日新聞』2014年07月24日(木)付。

- (インタビュー)民俗学からみる介護 介護施設で「聞き書き」する職員・六車由実さん 2014年7月24日(写真キャプション)「みんないつかは体が弱って介護が必要になる。自分もだ、と認識することが介護を考える第一歩です」=郭允撮影 気鋭の民俗学者が大…

覚え書:「くらしの明日 私の社会保障論 『ホンネ』使い間違えた? 釈然としない都議会ヤジ謝罪=湯浅誠」、『毎日新聞』2014年07月16日(水)付。

- くらしの明日 私の社会保障論 「ホンネ」使い間違えた? 釈然としない都議会ヤジ謝罪 湯浅誠 社会活動家 「個人の幸せは、それ自体が目的として尊重されるべきであり、別の目的の手段として位置づけられるべきではない」 これは正論だ。正論だから表立って…

書評:「読書 人間にとって善とは何か=フィリッパ・フット著 筑摩書房」、『聖教新聞』2014年06月28日(土)付。

- 読書 人間にとって善とは何か フィリッパ・フット著 高橋久一郎 監訳 河田健太郎・立花幸司・壁谷彰慶訳全人性の理解促す思索が光る 学問のあり方が見直された20世紀、最も批判を受けたのは哲学だ。諸学の王の特権性は反省されるべきだが、根源的な探究態…

覚え書:「引用句辞典 トレンド編 匿名性の原理が阻む “きずな”の構築」、『毎日新聞』2014年06月22日(日)付。

- 引用句辞典 トレンド編 匿名性の原則が阻む “きずな”の構築 鹿島茂[ぼっち席] 「君はまだぼくには、ほかの十万人の子どもとまるで違いがない子どもさ。だから、ぼくは君がいてもいなくても気にしない。君のほうでも、君はぼくがいてもいなくても気にしな…

書評:小森陽一『レイシズム』岩波書店、2006年。

小森陽一『レイシズム』岩波書店、読了。21世紀に入ってより強化されているレイシズム(人種差別主義)。本書は現代におけるレイシズムを自他の「差異」「優劣」をねつ造するメカニズムと捉え、差別意識の発生に言語システムが深く関わっていることを明ら…

日記:吉野作造とキリスト教:「人間は神の子にして皆同胞であるとの思想」を生きるということ

- 予は時に自分の生徒の先入主なき直覚的な頭に感ずる思想に、世界的の脈拍が影響して居ることを発見して愕然として密かに自らが一個の型にはまらんとしつゝあるかを驚くことがある。此世界的脈拍の根本義は何であるか、夫れは「人を信ずる」と云ふ点である…

覚え書:デカルトにおける倫理の意義 賢者の現存

- 賢者の現存 デカルトの倫理の意義をカントとの対比でまとめておこう。 カントは『純粋理性批判』において、賢者の実例が現存すると考えたのでは、倫理学を構築することはできないと論じている。「徳の概念を経験から創出しようとする人、実例として不完全…

書評:杉浦敏子『ハンナ・アーレント入門』藤原書店、2002年。

杉浦敏子『ハンナ・アーレント入門』藤原書店、読了。公共性の復権、政治的なるものの再興、複数性(多様性)の擁護、労働の再考をキーワードに、アーレントの思想を現代に蘇らせる入門。思索を辿るだけでなく、彼女の思索が現代の課題にどのように応答する…

覚え書:「『ハンナ・アーレント』 矢野久美子著 宇野重規(政治学者・東京大教授)・評」、『読売新聞』2014年05月04日(日)付。

- ・宇野重規(政治学者・東京大教授) 『ハンナ・アーレント』 矢野久美子著誠実な政治哲学者の生涯 ハンナ・アーレントというと、全体主義やら革命を論じた、ちょっと怖そうな政治哲学者というイメージがあるかもしれない。ところが、日本でも話題になった…

覚え書:わたしたちは、いい人だと言われただけで安心していられない

- SNさんがドイツに行く決心をした時、ドイツ人は日本人よりもっとひどいから行くな」と言って家族は猛反対したそうだ。隣にすわっていたドイツ人の夫が笑いながらうなずいている。「韓国では日本人の悪口をいつも聞いていたが、ドイツに来てから出会った…