宗教学
歴史的仮名遣の『神社新報』まとめて読んでいたら、わりとうけまくってしまい、つらい。 ( ※特定のイデオロギーの紐帯としての神社信仰には唾棄を覚えるけれども、熊楠のような対峙と同化と臆面もなく錯覚するのとは同義ではない包摂には憧憬を覚えますがね…
- 読書 宗教とグローバル市民社会 ロバート・N・ベラー、島薗進、奥村隆編偏狭な国家主義への憂慮 一昨年秋、宗教社会学の巨人ロバート・ベラーは85歳の恒例にもかかわらず来日し、立教大学などで精力的に講演した。本書は、その講演・シンポジウムの内容…
- 千の証言:軍国エリート少年、キリスト教の道究める 手のぬくもり、しみた 賀川豊彦に見いだされ 毎日新聞 2014年09月23日 東京朝刊(写真キャプション)キリスト教に出会った日々を振り返る大木さん=東京都北区の自宅で、山田大輔撮影 東京陸軍幼年学校の…
企画展「吉野作造と賀川豊彦―貧しき者、弱き者のために」ともにキリスト教者だった吉野作造と賀川豊彦は、当時の未熟な資本主義社会の中で 困窮する人々を助けるため、様々な社会事業に取り組みました。日本のセツルメント 活動の草分け的存在となった2人の…
- 仏教学者 中村元 植木雅俊著 角川選書 1800円 評・若松英輔(批評家)知の土壌を耕す 中村元は、二十世紀の東洋思想研究を牽引した碩学である。その研究範囲は著しく広く、残された業績もじつに大きい。彼の著作集は四十巻に及ぶ。古代インド哲学から…
- 中村が、一高でペツォルトと出会ったのは、一九三〇年のことだから、ペツォルトが仏教の個人授業を受け始めて十三年経ったころである。ペツォルトの授業は、小学校の教科書をドイツ語に翻訳するという内容だった。その授業の中で、ペツォルトはよく仏教に…
- 今週の本棚 仏教学者 中村元 植木雅俊著 角川選書・1944円 高名な仏教学者・インド哲学者の一生を、晩年の門弟という視点から描いたものである。 中村元(はじめ)は博覧強記を絵に描いたような大学者で、サンスクリット語をはじめ、パーリ語、チベッ…
8月30日(土)は、南原繁研究会第3回研究発表会(学士会館、13:00〜)に参加し、ひとつ発表してきました。プログラムは次の通り第1部 「国家と宗教」の岩波文庫化をめぐって 加藤節 南原繁と平和思想 戦後和解と戦争罪責に関する一考察 豊川慎 東大キリ…
- 書評 植木雅俊・著 仏教学者 中村元 求道のことばと思想前田耕作多角的な思想の全軌跡活動的な生涯とその開かれた視線をあますところなく活写 1979年12月末、ブレジネフはソ連軍のアフガニスタン侵攻を許可する書類に署名した。『広辞苑』(第3版・…
- 吉野作造の直筆展示 原敬暗殺を運不運で語る世相批判 大崎・記念館「人の値打ちは人格と事跡で評価」(写真キャプション)原敬の暗殺について吉野作造が記した直筆原稿=大崎市古川で 「平民宰相」と呼ばれた原敬(1856〜1921年)の暗殺について記…
月末に南原繁のキリスト教信仰の独自性(修養倫理のキリスト教受容とは違う)の発表をしなきゃならんので、夕方から少し、南原の著作を読み直しておりました。南原繁自身が「ちなみに申しますと、私はある人びとのように、宗教を表に出さない。その点はカン…
- 書評 学究の生涯と業績描く評伝 仏教学者 中村元 求道のことばと思想 植木雅俊・著 本書は、人間ブッダに光を当て、ひろく仏教の魅力を伝えた中村元の生涯と業績をたどりながら、その思想の「輪郭」と「核心」を明らかにした評伝だ。 若き日の中村は、哲学…
- それでは、吉野先生の本質はどこにあるか。ここに「先生とキリスト教」という問題が出て来る。この点は『世界』(一九五五年四月号、一〇〇頁)の座談会の中でもふれられていますが、たしかに、先生は内村鑑三先生とは無関係だった。ただ、吉野先生は本郷…
南原繁研究会編『南原繁と国際政治 永久平和を求めて』エディテックス、読了。昨年11月同研究会第10回シンポジウムの記録。講演を三谷太一郎先生「南原繁と国際政治 学問的立場と現実的立場」、パネル・ディスカッション「南原繁と国際問題をめぐって」…
- 書評 『アジア主義 その先の近代へ』 中島岳志著 潮出版社 定価1900円+税「思想としてのアジア主義」の可能性 アジア主義とは国家を超えたアジアの連帯を模索する戦前日本の思想的営みと実践のことだが、日本思想史においては、これほど罵倒にみまれ…
ブルース・ローレンス(池内恵訳)『コーラン』ポプラ社。イスラームの聖典は一人のアラブ商人が受けた啓示から始まり、長い年月を経て人々に広がり、解釈され強大な信仰となった。その成り立ちと変遷を辿る本書は初学者の最初の一冊に相応しい。巻末に塩野…
本村凌二『愛欲のローマ史 変貌する社会の底流』講談社学術文庫、読了。ローマ帝国繁栄下、過剰ともいえる欲望と淫靡な乱交が横行したが、その背景にはローマ人のどのような心性が潜んでいたのか。本書は風刺詩人のまなざしを頼りにしながら、性愛と家族をめ…
月に一度、コロンビア大学コアカリキュラムの教材を取り上げ、雄志で勉強会をしているのですが、5月がアウグスティヌスで、今月がトマス・アクィナス。キリスト教思想史における二大巨人の著作を概観して思うのは、二人とも「紋切り型」のフレーズで、究極…
- 予は時に自分の生徒の先入主なき直覚的な頭に感ずる思想に、世界的の脈拍が影響して居ることを発見して愕然として密かに自らが一個の型にはまらんとしつゝあるかを驚くことがある。此世界的脈拍の根本義は何であるか、夫れは「人を信ずる」と云ふ点である…
岡田温司『黙示録 イメージの源泉』岩波新書、読了。禍々しいイメージがつきまとう黙示録だが、本来の意味は「秘密のヴェールが剥がれること」。一体、どのような書物なのか。そしてその思想やイメージはどう育まれてきたのか。本書はテクストに忠実に寄り添…
長谷川修一『旧約聖書の謎 隠されたメッセージ』中公新書、読了。旧約聖書に記された物語は神話として扱われるものもあれば、史実のそれも混在する。本書は7つの物語を取り上げ、その史実性を学問的に検証する。語られるメッセージを読み解き、聖書の豊かな…
小川原正道『日本の戦争と宗教 1899−1945』講談社、読了。本書は戦前日本の宗教政策を踏まえた上で、戦争と宗教の関わりについて俯瞰する一冊。キリスト教が公認された1899年から太平洋戦争の終結まで、宗教横断的に、宗教と政治の関わりを明らかにする。仏…
- 発言 海外から 「南の法王」の影響力 ピエロ・スキアバッツィ ハフィントン・ポスト・バチカン専門記者 ローマ法王が率いるキリスト教カトリックのバチカンは世界的なソフトパワーであり、それが地政学的な力となっている。中国が経済力というハードパワー…
日本仏教の現状に私は懐疑的であるし、大戦下において一部の密教僧侶のルーズベルト呪詛などというソレは確かに噴飯ものだけど、インドで誕生し、中国・朝鮮半島を経て日本へ伝来した三国仏教史としての日本的展開(文化内開花)を考えるならば、その直因は…
- 文化 マンショ肖像制作の曲折(写真キャプション)マンショの肖像画(個人蔵、画像はトリブルツィオ財団提供)。裡面の銘文は「D.Mansio Nipote del Re di Figenge Amb( asciator ) e del Re Fra( nces ) co Bvgnocingva a sva San ( tit ) a」※かっこ内は…
宮崎賢太郎『カクレキリシタンの実像 日本人のキリスト教理解と受容』吉川弘文館、読了。第一人者の著者は30年近くに渡る聞き取り調査に基づき、「カクレキリシタン」とは隠れたキリスト者ではなく日本化した土着信仰としてその受容を考察する一冊。 「『…
- (世界発2014)キリシタンに脚光 バチカンで法王「弾圧耐え信仰守った」 2014年3月26日05時00分(写真キャプション)祈りの言葉「オラショ」を披露する生月島のキリシタンたち=いずれも長崎県平戸市の「島の館」、石田博士撮影 カトリックの総本山バ…
- 「私はその迫害者に対しても責任を負うている」と述べることで、レヴィナスは、「怨恨」(ルサンチマン)の道徳を覆そうとした。けれども、迫害者に対する責任は無条件な要請ではなかった。「私は私が蒙る迫害に対しても責任を負うている−−、私はある場所…
- 法王、命がけの財務改革 マフィア反発、報復の恐れも ローマ=石田博士2014年3月23日11時38分(写真・図版)ローマの教会で21日、マフィア犯罪の被害者遺族らと面会したフランシスコ法王(右端)=AP ローマ・カトリック教会のフランシスコ法王は21…
- 貧者の教会:法王就任1年/上 伝統捨てて「南」へ 増す影響力、首脳の訪問続々 毎日新聞 2014年03月20日 東京朝刊(写真キャプション)執務室の窓に姿を見せた法王を写真に撮るフィリピン人女性信徒=バチカンのサンピエトロ広場で2014年3月9日、福…